渋谷の路上飲酒、通年で禁止に…改正条例10月施行・罰則なし

AI要約

渋谷区が路上飲酒を通年禁止する改正条例案を可決

禁止エリア拡大や警備員によるパトロールを実施

外国人観光客の増加により問題が深刻化

 東京・渋谷で路上飲酒によるゴミや騒音の問題が増加していることを受け、ハロウィーン期間や年越しイベントに限られている路上飲酒の禁止期間を通年とする渋谷区の改正条例案が17日、区議会本会議で全会一致で可決された。施行は10月1日。違反者への罰則はない。

 区によると、施行に伴って禁止エリアを拡大し、渋谷センター街がある渋谷駅北側に加え、区役所や宮下公園の周辺、ナイトクラブ街の円山町などの地域も追加する。禁止時間は午後6時~翌午前5時とし、その間の毎日11時間、警備員によるパトロールを実施していく。

 同区では、2018年秋のハロウィーンで酒に酔った若者らが軽トラックを横倒しにして逮捕されるなど、騒乱状態に陥った。19年6月には、期間とエリアを絞った飲酒禁止条例を制定したが、コロナ禍で店で飲むことができない人たちが路上で飲酒するように。最近はSNSなどを見た外国人観光客の姿も目立ち、渋谷駅周辺では、通行妨害やゴミ、騒音問題が多発していた。

 区の調査では、金曜や土曜、祝前日にセンター街で路上飲酒の注意を受けた1日の平均人数は、今年3月の107・5人から、4月は158・4人に増加。7割以上が外国人だった。

 都心部で期間を限定しない路上飲酒の規制が行われるのは異例で、区は今後、周知活動に力を入れていく。一方、周辺自治体は影響を注視しており、隣接する新宿区は今月、新宿駅周辺での路上飲酒をハロウィーン期間に限って禁じる条例案を区議会に提出した。