「娘は上位者、両親は奴隷」 札幌ホテル殺人、母の初公判で検察指摘

AI要約

札幌市の繁華街・ススキノのホテルで会社員男性を殺害し頭部を切断した事件で、親子3人が起訴された。母親は無罪を主張し、容認や手助けはしていないと述べた。

検察側は、瑠奈被告が溺愛され家庭内で上位者であったことを指摘し、母親に殺害や死体損壊への関与を問い詰めたが、母親はこれを否定した。

事件では瑠奈被告が男性を殺害し、頭部を隠匿。母親はその過程を知りながらも容認せず、修被告に依頼された際も何を撮影するか分からず協力したとしている。

「娘は上位者、両親は奴隷」 札幌ホテル殺人、母の初公判で検察指摘

 札幌市の繁華街・ススキノのホテルで会社員男性(当時62歳)を殺害し頭部を切断したとして、無職の田村瑠奈被告(30)ら親子3人が殺人などの罪で起訴された事件で、死体遺棄と死体損壊のほう助の罪に問われた母浩子被告(61)は4日、札幌地裁(渡辺史朗裁判長)で開かれた初公判で「犯罪を容認するつもりも手助けするつもりもありませんでした」と起訴内容を否認し、無罪を主張した。

 検察側は冒頭陳述で「一人娘の瑠奈被告を溺愛していた。瑠奈被告は家庭の圧倒的上位者で、両親は奴隷のように従っていた」と指摘。瑠奈被告が事件の約1カ月前に男性とホテルを訪れた際にトラブルとなり、殺害に至ったとした上で、浩子被告については「瑠奈被告が死体の頭部を(自宅に)隠匿していると知ったが、容認。瑠奈被告からビデオカメラで死体損壊の撮影を頼まれ(夫の)修被告に依頼した」と述べた。

 弁護側は、頭部の保管を認識していたと認める一方、「容認する発言は一切していない」と否認。撮影についても「何を撮影するか知らずに修被告に依頼した」などと無罪を主張した。

 起訴状によると、瑠奈被告は2023年7月1日、札幌市のホテル客室内で、北海道恵庭市の男性を殺害し、首を切断。2日未明、頭部をキャリーケースに入れ、修被告が運転する車で札幌市内の自宅へ持ち帰った。浩子被告は、頭部を自宅に隠したり、頭部を損壊する様子を撮影したりするのを容認したとしている。【伊藤遥、後藤佳怜】