エアクリにマフラー交換で簡単にパワーアップ! それならなんでメーカーは最初からやらない?
チューニングとは、自動車の吸気排気系を改良することで、走行性能を向上させる行為です。
吸排気チューンによって、エンジンの出力が向上し、走行時の音やアクセル応答が向上します。
エンジンの効率を高めることで、より多くの空気と燃料を吸い込むことができ、出力を向上させることが可能です。
昨今は市販状態で十分なパフォーマンス性能をもったクルマが増えてきたことや、そもそも派手な音を発しながらガソリン臭さを振りまくような自分勝手な振る舞いが敬遠されるようになり、チューニングという行為が流行らなくなってきていると実感します。
そうして数は減ってしまった現状でも、クルマの用途を走り重視に置いている、あるいはカスタムすることが好きな人たちは一定数いますし、カスタムの市場にはまだまだチューニングのパーツが溢れています。
そんななかでまずチューニングの取っかかりとして手軽に導入できるのが、エアクリーナーやマフラーを交換する、いわゆる「吸排気チューン」でしょう。これをすることで、まず吸気排気の音が際立つので、走っているとき、そしてアクセルを煽ったときの気分がアガります。
もうひとつは出力が少し向上します。製造メーカーの謳い文句によれば、吸気または排気の効率が上がることで多くの空気を採り込むことができるため、出力が上げられるとなっています。
そこである疑問が浮かばないでしょうか。そんなパーツ交換程度で出力が上げられるなら、なぜ最初からそのパワーで出荷しないのか? と。
ここではその吸排気チューンの効果について少し掘り下げてみましょう。
自動車の主流となっているエンジンは、「レシプロ方式」の「4ストローク・タイプ」というものです。
「レシプロ(方式)エンジン」というのは、ピストンの往復運動をクランクシャフトで円運動に換えて車輪へと出力する方式のエンジンです。
「4ストローク・タイプ」というのは、吸気>圧縮>燃焼>排気という4つの行程で燃焼のプロセスをおこなうタイプのエンジンです.
おおざっぱにいうと、空気に霧状の燃料を混ぜて燃焼室に吸い込み、出入り口を塞いだ状態でそれを燃焼させ、その圧力でピストンを押し下げさせることで回転力に変換しています。
単純に吸い込む空気と燃料が多くなれば燃焼の威力が増すので、車輪をまわす力を向上させることができるのです。
エンジンのひとつの工程に対してどれだけ多くの空気と燃料を吸い込むことができるかを表すのが先に述べた「吸排気の効率」というわけです。