高級ブランド「プラダ」が好調、訪日需要受け日本で55%増収

AI要約

プラダグループは2024年上半期の決算を発表し、売上高が前年比で17%増の25億5000万ユーロに達した。

売上の伸びは日本市場が最大で55%増という好成績を収め、ミュウミュウの売上も前年比93%増となった。

ミュウミュウはK-POPスターなどを起用したマーケティング戦略でアジアの若者を取り込み、男性セレブも着用するなど幅広い層に支持されている。

高級ブランド「プラダ」が好調、訪日需要受け日本で55%増収

高級ファッションブランドのプラダとミュウミュウを所有するプラダ・グループは7月30日、2024年上半期(1~6月)の決算を発表した。同社の上半期の売上高は、ラグジュアリー業界全体の低迷にもかかわらず前年同期比で17%増を記録した。

プラダグループが30日に発表した上半期の売上高は、前年同期比17%増の25億5000万ユーロ(約4200億円)で、アナリストの平均予想の24億8000万ユーロ(約4087億円)を上回った。これを受け、香港証券取引所に上場する同社の株価は時間外で2%上昇し、年初来で21%高をつけた。

地域別で最大の伸びを記録したのは日本で、円安による訪日観光客の急増に後押しされて55%増を記録した。さらに、中東(20%増)、欧州(18%増)、アジア太平洋地域(12%増)、米国(7%増)がそれに続いた。ミュウミュウの売上高は、前年同期比93%増を記録し、プラダは同6%増だった。

中国における売上の低迷で減少で、ヒューゴ・ボスやバーバリー、LVMHなどのラグジュアリーブランドが苦戦を強いられたのとは対照的に、プラダは好調を維持しており、第2四半期に力強い成長を見せたエルメスと並んでこの業界の例外的存在となっている。エルメスは、超高級ハンドバッグのバーキンなどの人気商品に、富裕層の支出を集中させることで、高級品市場の低迷の影響を免れている。

プラダの成長は、主に若年層向けの姉妹ブランドとして1993年に設立されたミュウミュウが牽引している。このブランドのアイテムは、バレエコアやオフィスサイレンといったソーシャルメディア主導のファッショントレンドを取り入れており、インターネット上で人気を博し、若者の間で支持を集めている。

ミュウミュウはまた、K-POPスターを起用したマーケティングで、アジアの若者層を取り込み、韓国や中国、日本、東南アジアのZ世代向けのラグジュアリーブランドとしての地位を確立している。さらに、ラッパーのエイサップ・ロッキーや同じくラッパーのオフセット、NFL選手のオデル・ベッカム・ジュニアといった男性セレブが、このブランドを着用することで、男性の間での人気も高まっている。

ミュウミュウのアイテムは、実験的な試みや大胆な発想で、重要かつ強力な消費者層を取り込んでいる。このブランドの躍進の背景には、プラダ創業者のマリオ・プラダの孫であるミウッチャ・プラダのビジョンがあるとされている。