主要レジャー施設、約2割でチケット値上げ 「水族館」の入場料平均、初の2千円台 運営コスト増が要因

AI要約

2024年の国内主要レジャー施設のチケット料金は、前年比で値上げする施設が減少したことが分かった。値上げは沈静化しており、一部施設では実質的な子供料金の値下げも行われている。

チケット料金の平均価格は、施設ジャンルによって異なり、水族館が2千円を超えるなど値上げ傾向が見られた。特にフリーパス料金は上昇が続いており、価格差も拡大している。

最高額のチケット料金はTDRとUSJで1万900円であり、各施設ジャンルごとに料金の差があることが明らかになった。

主要レジャー施設、約2割でチケット値上げ 「水族館」の入場料平均、初の2千円台 運営コスト増が要因

 国内190の主要レジャー施設(遊園地・テーマパーク・水族館・動物園)のうち、2024年に入場料などの「チケット料金」を値上げする施設は全体の17.4%(33施設)であることが判明した。前年(32.1%・61施設)に比べて、チケット料金を値上げする施設数は半減した。チケット料金の値上げはせず、駐車場代やアトラクション用の追加アイテム料金などを値上げする動きもあるものの、総じてレジャー施設における値上げラッシュは前年と比較して沈静化の兆しがある。また、一部施設では実質的な子供料金の値下げや無料化に踏み切る動きもみられた。

 価格改定前後のチケット料金をみると、チケット種別や施設ジャンルによって傾向が分かれた。2024年におけるレジャー施設全体の「入場料」平均価格(大人1名)は1629円だった。23年平均(1586円)に比べ2.7%・43円上昇したほか、2022→23年における価格差(69円)に比べると上昇ペースは鈍化した。遊園地・テーマパークで多く導入されている「フリーパス」平均価格は4502円に上り、2022年→23年(+4.6%・191円)に比べると上昇幅は2.9%・128円と鈍化したが、「入場料」平均を上回った。変動価格制の導入が進み、特に5月のGW期間など大型連休に最高値を引き上げる動きが広がったことも、フリーパス料金の上昇が続いた要因となった。

 なお、国内主要レジャー施設において2024年内に設定されたチケット料金の最高額は、東京ディズニーリゾート(TDR、千葉)の「1デーパスポート」と、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪)の「1デイ・スタジオ・パス」で、いずれも大人1日チケットが1万900円だった。

 施設ジャンル別にチケット料金平均をみると、最も「入場料」平均が高いのは「水族館」の2042円となり、前年平均から91円上昇したほか、調査開始以降で初めて2千円を超えた。餌代のほか、電動ポンプや館内空調などに使用する電気代の高騰が影響し、引き続きチケット料金を引き上げる動きが目立った。

 「遊園地・テーマパーク」では1570円となり、前年平均から22円の上昇にとどまった。一方、最も低いのは「動物園」で、入場料の平均は1381円にとどまり、最高値の水族館に比べて700円近く安い水準だった。動物園でも飼料代の高騰など物価高の影響で厳しい経営を余儀なくされているものの、運営事業者が市町村など自治体・公営企業のケースが多く、機動的な値上げが難しいことも要因となっている。