英国の小売支出、6月は減少-低温で衣料品販売落ち込む

AI要約

英国の消費者は6月、例年より涼しい気候の影響で衣料品への支出を抑えた。緩慢な経済成長の一因となる天候不順が示された。小売業は4-6月期の経済の勢いを鈍らせた。

6月のカード利用額は前年比0.6%減少し、2021年以来の初めての減少となった。小売売上高も前年比0.2%減少し、低迷が続いている。

気候の影響により、英国人の消費行動はより大きく変動しており、消費者は節約志向が強まっている。小売支出や売り上げの減少が報告されている。

英国の小売支出、6月は減少-低温で衣料品販売落ち込む

(ブルームバーグ): 英国の消費者は6月、例年より涼しい気候の影響で衣料品への支出を抑えた。天候不順が緩慢な経済成長の一因となっていることを示す新たな兆候だ。小売業が、例年より雨の多かった4月の鈍い伸びに続き、4-6月期(第2四半期)の経済の勢いをそいだ。

英銀バークレイズによると、小売売上高の低迷により、6月のカード利用額は前年同月比0.6%減となり、2021年初めの新型コロナウイルス感染拡大によるロックダウン(都市封鎖)時以来、初めて減少した。英国小売協会(BRC)と会計事務所KPMGが発表した別の調査によると、6月の小売売上高合計は前年同月比0.2%減で、1年前の同4.9%増から一転して減少した。

こうした数字は、来週発表予定の小売売上高の月次公式データが、6月前半の冷え込みを経て、またも低迷することを示している。

英国人の消費動向は、寒い時期に散在から節約に振れるなど、気候変動による異常気象でより大きく変動している。

KPMGの英国消費者・小売り・レジャー部門責任者のリンダ・エレット氏は「ガソリンやエネルギーコスト、小売価格は下落し続けており、家計への負担は軽減されつつあるものの、消費者は財布のひもを緩めることに非常に消極的だ」と指摘する。「好天、テニスのウィンブルドン大会、サッカーの『ユーロ24』による刺激が消費支出を後押しすると期待されていたが、今のところ結実しておらず、多くの家庭は経済的な不安を抱えたままだ」。

バークレイズのデータによると、衣料品の売り上げが約8%落ち込んだことを受け、家計の小売支出は2.6%減少した。6月前半の気温が低かったことが影響した。

BRCによると、6月までの3カ月間の食品以外の売り上げは、前年同期に比べ2.9%減少した。消費者が遠ざかったことで、特に中心街の売り上げは深刻な打撃を受けた。売り上げ減のほとんどは、店頭での食品以外の売り上げが、前年の好調な実績から3.7%減少したことによる。