高速道路料金が実質1割引に?ETC「マイレージサービス」、5つのお得な使い方

AI要約

ETCマイレージサービスは高速道路利用者向けの特典プログラムで、通行料金に応じてポイントが貯まり、無料通行分として利用できる仕組み。

ポイント加算率は事業者ごとに異なり、NEXCO各社等では交換レートがもっともよくなる5000ポイントでの交換がお得。

ポイントは事業者ごとに合算され、還元額はどの事業者の高速道路でも無料通行分として利用できる。

高速道路料金が実質1割引に?ETC「マイレージサービス」、5つのお得な使い方

 航空会社が提供する「マイレージプログラム」のように、高速道路にも「ETCマイレージサービス」という特典プログラムがあるのをご存じですか?高速道路を利用するたびにポイントが貯まるおトクなシステムですが、単にETCを利用しているだけではポイントは貯まりません。高速道路をよく使う人、それほどひんぱんに使わない人の両方に向けて、効率的にポイントを貯められて、損をしない方法を5つ紹介します。(ライター・プランナー 植村祐介)

● 飛行機だけでなく、高速道路にも「マイレージプログラム」がある

 飛行機を利用したことのある人の多くは、航空会社が展開する「マイレージプログラム」をご存じでしょう。このプログラムは飛行機に乗った距離に応じて「マイル」が貯まり、一定額まで貯まったら、無料の特典航空券に交換できるという仕組みです。近年では、レンタカーチェーンや外食チェーンでも、類似のポイント制度が登場しています。

 実は高速道路にも同様の仕組みが用意されています。それが「ETCマイレージサービス」です。このサービスでは、支払った通行料金に応じてポイントが貯まり、貯まったポイントを通行料金の支払いに使えます。

 航空会社のマイレージプログラムは飛行機に乗った距離をベースに運賃種別などによる係数を乗じてマイルが貯まりますが、ETCマイレージサービスでは、高速道路の走行距離ではなく、支払った通行料金に応じてポイントが貯まるという、レンタカーチェーンや外食チェーンのマイレージプログラムに近い内容になっています。一方、特典については、ポイントが一定額まで貯まると「還元額(無料通行分)」に交換できるという、航空会社のマイレージプログラムに似通った形態です。

● ETCマイレージサービスの貯め方と使い方

 ETCマイレージサービスは、各高速道路事業者で共通のプログラムですが、ポイントは原則として「高速道路事業者ごと」に貯まり、この事業者ごとの交換単位で、還元額への交換が可能となります。ただし全国各地で高速道路を運営するNEXCO東日本、NEXCO中日本、NEXCO西日本と宮城県道路公社(以下、NEXCO各社等)は一体としてポイントが合算されます。

 ポイント加算率は事業者によって異なります。

 ・NEXCO各社等、本州四国連絡高速道路:10円につき1ポイント

・愛知道路コンセッション、広島高速道路公社、福岡北九州高速道路公社:100円につき1ポイント

・神戸市道路公社:50円につき3ポイント

 愛知県道路コンセッション、広島高速道路公社、福岡北九州高速道路公社、神戸市道路公社では、さらに、月間利用額に応じた加算ポイントも付与されます。

 ポイントは、走行の翌月20日に前月分が一括して付与されます。ただしNEXCO各社等が実施する「ETC周遊プラン(ドラ割、速旅、みち旅)」のポイントは、翌々月20日になります。

 こうして貯まったポイントは、事業者ごとに還元額への交換単位が定められています。交換単位と還元額は、例えば、NEXCO各社等、本州四国連絡高速道路では「1000ポイント→500円分」「3000ポイント→2500円分」「5000ポイント→5000円分」、愛知道路コンセッション、広島高速道路公社、福岡北九州高速道路公社が「100ポイント→100円分」、神戸市道路公社が「200ポイント→100円分」です。

 支払った通行料金がポイントに変換され、さらに交換単位ごとに交換率の異なる場合があるため、ややわかりにくくなっていますが、NEXCO各社等を例にとると、以下のように整理できます。

 ・1万円分の通行料金(=1000ポイント)→500円分の還元<還元率5%>

・3万円分の通行料金(=3000ポイント)→2500円分の還元<還元率8.3%>

・5万円分の通行料金(=5000ポイント)→5000円分の還元<還元率10%>

 つまりNEXCO各社等で交換レートがもっともよくなる「5000ポイント」での交換を行うと、高速道路料金が「実質1割引」になると考えていいでしょう。ただし還元額での走行については、ポイント加算の対象外となります。

 なお、ポイント加算は事業者ごととなりますが、ポイントから交換した還元額は、どの事業者の高速道路でも、無料通行分として利用できます。