不祥事の三菱UFJ関係者に「論語と算盤」のすすめ 日証協大阪地区の巽会長

AI要約

日本証券業協会大阪地区協会の巽大介会長が、MUFG傘下の銀行と証券が顧客の非公開情報を無断で共有していた問題に懸念を示し、コンプライアンスの徹底を求めた。

金融商品取引法に違反して情報共有が行われていたことが明らかになり、金融庁から業務改善命令が出された。

巽氏は非難の声をあげ、「法令順守の意識が欠けている」と述べ、新紙幣発行に際し、関係者に渋沢栄一の書籍を読むよう促した。

不祥事の三菱UFJ関係者に「論語と算盤」のすすめ 日証協大阪地区の巽会長

日本証券業協会大阪地区協会の巽大介会長(光世証券社長)が2日、大阪市内で記者会見し、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)傘下の銀行と2証券が顧客の非公開情報を無断で共有していた問題について、「ルールを守らないと規制緩和の議論が止まる」と述べ、懸念を示した。MUFGに対し、コンプライアンス(法令順守)の徹底を求めた。

金融商品取引法は、同じグループの銀行と証券の間での情報共有を制限している。証券取引等監視委員会の調査では、MUFG傘下の3社が顧客企業の同意を得ずに経営戦略に関する非公開情報などを共有していたことが判明。金融庁は6月24日、MUFG傘下の3社に、金商法に基づく業務改善命令を出している。

この問題に関し、巽氏は「マーケットが盛り上がる中、こうした不祥事は大変残念」と言及。その上で「グループの利益を上げるためなのか、法令順守の意識が著しく欠けている」と非難した。

さらに、今月3日からの新紙幣発行により、一万円札の肖像が福沢諭吉から実業家の渋沢栄一に刷新されることを念頭に、「MUFGの関係者は、(道徳と経営を説いた渋沢の著書)『論語と算盤(そろばん)』を読むべきだ」とも語った。

巽氏は5期目となる会長に1日付で再任された。任期は1年。(井上浩平)