初めての「お泊まり保育」体験記、娘を送り出した父の不安とその後の“開眼ぶり”がハンパなかった!

AI要約

子どものお泊まり保育について親の気持ちや子供の態度について描かれている。保護者の心配や不安、子供の楽しみと緊張、そして結果的には安心する様子が伝わってくる。

保護者同士の不安や心配が共感を呼ぶエピソードが描かれており、このようなイベントを通じての成長や愛情が読み取れる。

子供と保護者のお泊まり保育前後の様子や感情の変化がそれぞれ異なるが、結局は子供の成長を喜び、安心する楽しいイベントであることが伝わってくる。

初めての「お泊まり保育」体験記、娘を送り出した父の不安とその後の“開眼ぶり”がハンパなかった!

 子育て中の家庭に発生する大きめのイベントの一つが「お泊まり保育」である。子どもにとって好奇心と少しの不安で胸が高鳴るイベントであることは間違いないが、実は送り出す側の親の側もさまざまな感情が渦巻く。お泊まり保育に娘を送り出した筆者が、この経験で感じたことを記しておきたい。(フリーライター 武藤弘樹)

● 子どもだけでなく大人もそわそわ 初めての「お泊まり保育」

 保育園年長の娘のお泊まり保育が催された。子どもたちは一晩親元を離れて園に泊まり、カレーを作ったりドラム缶風呂に入ったりと、その他企画盛りだくさんの時間を過ごすという特筆すべきイベントである。

 子どもはわくわくと緊張がないまぜになった状態で、実施1週間ほど前からすでにそわそわしているが、親・保護者はというと、実は子に輪をかけてそわそわしている。束の間の1人分の子育てから解放される自由への期待もありつつ、やはり心配が大きいように見える。

 大抵の場合、お泊まり保育が初めて保護者の元を離れて夜を越す体験となるから、「うちの子大丈夫かしら」と不安に思われるのである。

 私もかなり不安だったが、とにもかくにも娘は無事、そしてとても楽しんで帰ってきた。終わってみると不安がっていた自分の様子は滑稽に思えたが、他の保護者らの話を集めてみると、どうやら同様に相当不安でそわそわしていたようである。

 この保護者のそわそわが趣き深く面白いのだが、皆恥ずかしがっているのか世間ではあまり深堀りして語られることがないようで、これは実にもったいない。

 「卒園式では感動して涙が止まらなかった」というエピソードが保護者の愛や子育てに対する達成感を伝えるのと同様に、お泊まり保育を控える保護者が平静を保っていられない様子からも、愛や保護者として成長しようとする様子などいくつかの「特別」が伝わってくる。もっと内実が語られ、知られていいイベントであるように感じられる。

● 子ども不在で過ごす夜 ママはしっとり、パパはわさわさ過ごす傾向

 私と妻の間で特に心配されていたのは、「娘は無事に夜寝られるのか」であった。娘は部屋をかなり明るくしないと怖がって寝られず、また妻と同じベッドでくっつきながら寝ているため、はたしてそれと劇的に違うと予想されるお泊まり保育の環境下においてどうなるのかが案じられた。

 そこで、娘が暗い場所で寝られるようになるため、部屋を暗くして寝ることや寝入ってから部屋の明かりを消すことを提案したり、明度のやや低い明かりの導入を試みたりと、本番1週間ほど前からわさわさ動いていた。「娘の寝付きの練習」という目標を掲げてはいたが、何かをしていなければ落ち着かないので、「自分のために動いていた」と言える部分は多くあったと思う。

 妻は少し心配そうにするくらいで、予想外にもだいぶ泰然としているように見えたが、本番1週間ほど前からは不眠症に陥った。「子が心配で寝られないのでは」と私が指摘すると「原因は何かわからないけどそれは違うと思う」と答えていたが、本番を終えたあとは不眠症が去って健やかに寝られるようになったので、お泊まり保育への心配と不眠症状の関連が激しく疑われている。

 お泊まり保育を巡る保護者の感情はおおむね「事前→最中→事後」の順に「心配→心配・寂しい→子を褒め・ねぎらいたい気持ち」である。

 その中でも感情がピークに達するのは、やはりお泊まり当日の夜である。「子どもの画像フォルダを開いて成長を見返して、一晩過ごした」という人もいた。