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ホンダのコンパクトミニバン、新型フリードのデザインが「ただの正統派」と言い切れない深いワケ
ホンダのコンパクトミニバン「フリード」の新型が発売された。旧型に比べてパワートレインとデザインが変更され、新しさをアピールしている。
ハイブリッドモデルはe:HEVに進化し、1.5リッターエンジンと2つのモーターを搭載。ガソリン車はポート噴射方式を採用し、性能とコストを両立している。
最小限のボディサイズ変更を行いつつ、モデルチェンジを果たした新型「フリード」は、旧型の人気を受け継ぎつつも進化を遂げている。
![ホンダのコンパクトミニバン、新型フリードのデザインが「ただの正統派」と言い切れない深いワケ](/img/article/20240629/667f33233e94f.jpg)
本田技研工業(ホンダ)のコンパクトミニバンである「フリード」の新型が、ついに発売を迎えた。デザインについては大型連休明けに公開されており、テストコースでのプロトタイプの試乗記もメディアにアップされていたから、ようやくの発売といえる。
モデルチェンジによって旧型になる2代目がデビューしたのは、2016年。つまり今年で8年目だ。にもかかわらず、モデル末期になっても売れ続けており、2023年の登録車の年間台数ではベスト10に入っていた。
だからだろう。プラットフォームは新規開発ではなく熟成を図る形とし、ボディサイズの拡大も最小限に抑え、従来のパッケージングを継承する。
一方、パワートレインとデザインを大きく変えることで、新しさをアピールしてきた。ただ、この2点の刷新は、個人的にはどちらもある程度予想できたことだった。
■ハイブリッドがe:HEVになった必然
パワートレインは、ハイブリッドが1.5リッター直列4気筒エンジンに発電用と走行用の2つのモーターを結合させ、低速ではモーター、高速ではエンジン主体で走るe:HEVに切り替わったが、これは「フィット」や「ヴェゼル」でおなじみの方式だ。
ちなみに「ZR-V」や「ステップワゴン」などには、同じe:HEVの2.0リッター版が積まれている。つまり、国内向けのホンダのハイブリッド車では、フリードだけが7速デュアルクラッチトランスミッション(DCT)を用いた、ひと世代前の方式だった。だから、今回のe:HEV採用は、当然だと感じたのである。
【写真】シンプルだけど「ただの正統派」ではない。新型「フリード」の内外装を見る
なお、1.5リッター直列4気筒のガソリン車は、こちらもフィットやヴェゼルと同様、直噴方式からポート噴射方式になった。技術的には時代に逆行しているようにも思えるが、フリードのキャラクターを考えれば、高性能である必要はない。そのため、直噴独特の音を抑え、コストダウンにも寄与するポート噴射方式をあえて選んだという。