「退職金2,400万円」で住宅ローンを完済!月収38万円の65歳サラリーマン、現役引退後に悠々自適な年金生活を期待も、待ち受ける「老後破産」の危機

AI要約
多くの人が40代前後にマイホームを購入している現状や、ローン地獄からの脱出が難しい状況について述べられている。住宅ローンを退職金で完済することの是非や、都内の新築マンション価格の動向も議論されている。40歳の平均的なサラリーマンが新築マンションを購入した場合の返済プランについても詳細に説明されている。
「退職金2,400万円」で住宅ローンを完済!月収38万円の65歳サラリーマン、現役引退後に悠々自適な年金生活を期待も、待ち受ける「老後破産」の危機

多くの人の夢であるマイホーム。晩婚化の流れのなかで、マイホームの購入年齢は平均40歳前後となっています。以前であれば年金生活に入る前にローン地獄から脱出、というのが一般的でしたが、いまでは70代でローン完済というのも現実的です。そのようななか「住宅ローンを退職金で完済」はありでしょうか、なしでしょうか。考えてみましょう。

不動産経済研究所によると、今年4月の「首都圏の新築分譲マンション1戸あたりの平均価格」は7,662万円と前年同月比1.1%(85万円)の下落。一方で平米単価は124.2万円と7.2%(8.3万円)の上昇でした。

地域別にみていくと、「東京23区」は平均価格9,674万円(前年同月比17.8%減)、「東京都下」は5,814万円(4.5%増)、「神奈川県」は6,09万円85.2%増)、「埼玉県」5,088万円(8.8%減)、「千葉県」4,929万円(7.3%増)。地域によって事情はさまざまですが、すべての地域でいえることは、不動産価格の高騰や高止まりによって、以前よりもマイホーム購入のハードルが高くなっているということかもしれません。

厚生労働省の資料によると、東京都の大企業(従業員1,000人以上)に勤務するサラリーマン(平均年齢43.1歳)の平均給与は月収で41.6万円、年収で686万円。そんな「東京の大企業で働く40歳の平均的なサラリーマン」が、「都下に平均的な価格の新築マンション」を買ったなら、どのような返済プランになるか考えてみましょう。

◆物件価格:5,800万円

◆借入:4,600万円

◆頭金:1,200万円(物件価格の2割程度)

◆金利:0.5万円

◆返済期間:30年

細かな手数料等は考慮していませんが、1ヵ月あたりの返済額は「13万7,627円」。年収に対する年間返済額の割合である年収負担率は上限35%といわれるなか、平均は20%前後。それを超えるローン返済は大きな負担に感じるようになります。

東京の大企業勤務のサラリーマンの場合、40歳時点での返済負担率は23%。その後、年齢と共に年収が上がっていくと年収負担率も、40代後半で21%、50代前半で20%、50代後半で17%と下がっていきます。ただし、60歳定年を境に年収は38%ほど減少。それに伴い返済負担率は27%に上昇。定年以降のローン返済はかなり厳しいと心得ておく必要があります(図表)。