キヤノンのVRレンズにAF対応APS-Cモデル「RF-S3.9mm F3.5」。EOS R7用

AI要約

キヤノンは、VR映像撮影システム「EOS VR SYSTEM」より、APS-Cセンサーのミラーレスカメラ「EOS R7」に対応したステレオ魚眼レンズを発売。

新レンズはオートフォーカス機能に対応し、4K撮影時に高い解像感を実現。

持ち運び性や取り回し性が向上し、編集時間や導入コストも低減された。

RF-S3.9mm F3.5 STM DUAL FISHEYEはEOS R7専用で、将来的な他機種への対応も検討中。

データ容量が抑えられることで編集作業がスムーズになり、編集の手間とコストが削減される。

映像は正距円筒変換やVR映像に変換可能で、レンズの仕様はASCコーティングが初採用され、重さは約290g。

キヤノンのVRレンズにAF対応APS-Cモデル「RF-S3.9mm F3.5」。EOS R7用

キヤノンは、VR映像撮影システム「EOS VR SYSTEM」より、APS-Cセンサーのミラーレスカメラ「EOS R7」に対応したステレオ魚眼レンズ「RF-S3.9mm F3.5 STM DUAL FISHEYE」を、6月28日に発売する。価格はオープンプライスで、直販価格は192,500円。

EOS R7に装着するだけで、VR180フォーマット対応の撮影ができるRFマウントのレンズ。ギアタイプSTM(ステッピングモーター)で左右のレンズを一体駆動させる2眼のオートフォーカス機構を搭載しており、既発売の「RF5.2mm F2.8 L DUAL FISHEYE」では使えなかったオートフォーカス(AF)が利用できる。なお利用できるのはワンショットAFのみで、動画サーボAFには非対応。

従来のRF5.2mm F2.8 L DUAL FISHEYE+EOS R5/R5Cでは8K撮影が可能だったが、今回のRF-S3.9mm F3.5 STM DUAL FISHEYE+EOS R7で撮影できるのは最大4K撮影まで。

ただし、新レンズでは撮影画角を144度に狭めることで視野角1度あたりの画素密度を高め、4Kでも高い解像感を実現したとのこと。EOS R7は「4K UHD Fine」使用時に7Kオーバーサンプリングによる4K撮影ができるため「R5とRF5.2mm F2.8 L DUAL FISHEYEとの組み合わせで撮影した4K動画と同等の解像感を達成」したという。

実際にRF-S3.9mm F3.5 STM DUAL FISHEYE+EOS R7で撮影されたデモ映像を視聴したが、4Kになったことによる解像感の低下はほとんど感じられず、十分に没入感ある映像体験ができた。

また撮影画角を狭めることで、RF5.2mm F2.8 L DUAL FISHEYE(撮影画角190度)使用時に起きていた三脚や撮影者の足元などが映り込んでしまう問題にも対処。通常のジンバルや三脚、ステレオマイク「DM-E1D」が映り込まなくなった。

フィルターは既発売モデルと同じくゼラチンタイプのものが使用できるほか、新たに30.5mm径スクリュータイプのものをリア側に装着できるようになった。カメラとレンズの両方が軽量・コンパクトになるため、持ち運び性や取り回し性が向上する。

さらに8K撮影時よりもデータ容量が抑えられるため編集時間も短縮。レンズ本体やカメラにかかる費用や、編集に必要なPCのスペック・費用が抑えられるため、トータルの導入コストも低くなったとしている。

なお、発売時点でRF-S3.9mm F3.5 STM DUAL FISHEYEが使えるカメラはEOS R7のみ。同社はEOS R7以外にもAPS-Cセンサーのミラーレスカメラを複数展開しており、「今後対応機種を広げていきたいと考えている」とのことだが、「高級レンズや交換レンズを複数所有しているようなハイアマチュア、(カメラやレンズへの)関心が高いユーザーの多いR7をまず念頭に置いた」とのこと。

EOS Utility/Camera Connectを使うことで正距円筒変換した映像をライブビュー表示できるほか、EOS VR Utility/Adobe Premier Pro用プラグインを使って魚眼映像を簡単にVR映像に変換できる。

開放F値はF3.5、ピント差調整はフォーカス/コントロールリングによる電動調整。レンズコーティングはASC(Air Sphere Coating)で、同コーティングをLレンズ以外で採用した初のモデルとなる。重さは約290g(リアフィルターホルダーを含まず)。