立山連峰に見守られて走る富山の市内電車…市街地と郊外をつなぐ生活の足です

AI要約

富山市を走る富山地方鉄道の市内軌道線と富山港線について紹介。

市内軌道線は富山駅前から富山大学前へとつながる110年の歴史を持つ路線。

富山港線は北前船の寄港地を結ぶ路線で、2006年に第3セクターの「富山ライトレール」として開業。

 今回の鉄フォトは富山市を走る富山地方鉄道です。富山駅の南側を走る市内軌道線と環状線、同駅北側を走る富山港線があり、総延長15.2キロの路線です。

 市内軌道線は、南富山駅前から富山駅を経て富山大学前へとつながる路線です。歴史は約110年前、大正時代に開業した富山電気軌道が前身で、市営化などを経て、現在に至ります。

 富山港線は富山駅と、かつて北前船の寄港地として栄えた沿岸部の岩瀬地域を結ぶ路線です。路線の大部分は、利用者の減少などにより廃止となった旧JR富山港線の線路が活用されています。2006年に開業した第3セクターの「富山ライトレール」が前身で、全国初のLRT(次世代型路面電車)として利用者数を伸ばしたことでも注目を集めました。

 今回の写真は、富山駅前の大通りで撮影しました。辺りが暗くなり始める頃、家路を急ぐ人たちの中心には、クリーム色の路面電車が停車していました。そして、各方面へと複雑に交わる架線の奥には、うっすらとあかね色に染まる残雪の立山連峰も姿を見せてくれました。

 北陸新幹線も発着する富山駅に降り立つと、まず目に入るのが、駅を南北に貫いて走る路面電車ではないでしょうか。駅構内にあるスタイリッシュな停留場を、旧型、新型と様々な電車が絶え間なく行き交う光景は圧巻です。市民生活に根付く路面電車と、ビルの谷間からのぞく雄大な山並みが今日も街の景色に彩りを添えています。(東京写真部 永井秀典)

 ※鉄道写真撮影の際のお願いです。マナーを守って安全に撮影しましょう。