ドラえもんにも登場した「超・巨大中国恐竜」驚愕の命名秘話 魅惑の『恐竜大陸 中国』を知る

AI要約

日本では恐竜の全身骨格が見つかると大きな話題になるが、中国では年間に20体以上も見つかるという。

日本の恐竜人気の広さと深さは中国よりも大きく、その一因として国民的漫画『ドラえもん』が恐竜に関するストーリーを数多く描いている点が挙げられる。

『ドラえもん』の中でも中国恐竜を招待するというエピソードがあり、その中でマメンチサウルスという竜脚類が登場し、「大迫力!!」と叫ばれるほどの巨体を持っていた。

ドラえもんにも登場した「超・巨大中国恐竜」驚愕の命名秘話 魅惑の『恐竜大陸 中国』を知る

中国の魅力あふれる恐竜は、日本の国民的漫画『ドラえもん』でもその迫力ある姿が描かれている。中華圏をフィールドに多彩なテーマに取り組む安田峰俊氏の新著『恐竜大陸 中国』から、日本でも人気の高い“あの中国恐竜”にまつわるほっこりエピソードを紹介する。

日本は、状態のいい恐竜の化石が比較的見つかりにくい国である。

2010年代後半に世間の話題をさらった「むかわ竜」ことカムイサウルスがあれほど注目されたのは、ほぼ全身の骨格が見つかった新種だからであった。日本は恐竜の全身骨格が見つかるだけで大騒ぎになる国なのだ(ちなみに中国の恐竜関係者に聞いたところ、日本の25倍の国土面積を持つかの国では年間に20体くらいは恐竜の全身の化石が見つかり、ありふれた現象であるそうだ)。

しかし、日本人の恐竜人気の裾野は中国よりもずっと広く、また深い。その理由は昭和時代の怪獣ブームも関係していそうだが(ゴジラやアンギラスの姿や生態は実際の恐竜とは大きく違うものの、世間の視野を大きく広げたことは間違いない)、もうひとつ忘れてはならないのが、国民的漫画作品『ドラえもん』が果たした役割だ。

作者の藤子・F・不二雄は恐竜への造詣が深く、映画の大長編ドラえもんの第1作『のび太の恐竜』で恐竜時代へのタイムスリップを描いたのをはじめ、作中で恐竜を主題とした回をいくつも執筆している。

そのなかでも印象深いのが、「恐竜さん日本へどうぞ」(てんとう虫コミックス31巻)だ。中国恐竜展を見て感激したのび太とドラえもんが、タイムマシンで中生代の中国にタイムスリップして、「招待錠」という薬を飲ませて中国の恐竜たちを日本に呼んでこようとする……というストーリーである。

この作品で「招待」された中国恐竜は、鳥脚類のチンタオサウルス、ステゴサウルスの仲間(剣竜)のトゥオジャンゴサウルス、獣脚類のヤンチュアノサウルス、翼竜(恐竜ではない)のズンガリプテルスなど。そのなかで真打ちとして登場するのが、竜脚類のマメンチサウルスだ。

マメンチサウルスはジュラ紀後期に生息していた。作中でのび太とドラえもんが「大迫力!!」と叫んでいたように、全長22メートルの巨体を誇った。全長のうちで半分を頸部が占めており、優美なスタイルを持つ恐竜だった。