韓国軍、まもなく西海NLLで海上射撃を再開…6年ぶりに再び「朝鮮半島の火薬庫」へ

AI要約

今月中に再開される西海(ソヘ)5島と陸上の軍事境界線での砲射撃訓練が南北の緊張を高める要因となる。

海上射撃訓練の再開は南北間の緊張を一段と増大させ、海上衝突の可能性を引き起こすかもしれない。

市民団体は南北米共に武力衝突の予防と危機管理のために対話を再開するよう訴えている。

韓国軍、まもなく西海NLLで海上射撃を再開…6年ぶりに再び「朝鮮半島の火薬庫」へ

 今月4日に行われた9・19南北軍事合意の効力停止に伴い、西海(ソヘ)5島と陸上の軍事境界線(MDL)一帯での砲射撃訓練が今月中に再開される。延坪島(ヨンピョンド)と白ニョン島(ペンニョンド)に配備された海兵部隊が、K9自走砲の海上射撃訓練を約6年ぶりに実施することになれば、北方限界線(NLL)問題が再び南北の緊張を高める要因になるとみられる。

 国防部関係者は5日、「現在、白ニョン島と延坪島(ヨンピョンド)など西北島しょ一帯の海上で、ワタリガニ漁が行われており、現地漁業関係者を対象に射撃訓練の方針を説明し、住民保護対策などを点検したうえで、K9射撃訓練を行う」と述べた。海上射撃訓練を準備するのに半月ほどかかることを考えると、今月中旬頃に射撃訓練が実施される見通しだ。

 海上射撃訓練の再開は西海NLL一帯が再び朝鮮半島の「火薬庫」になるという意味だ。韓国は北方限界線を「血を流して守った領土線」と捉えているが、北朝鮮は「強盗まがいの北方限界線は無効」だと主張する。南北軍隊は1999年以降、北方限界線問題で4回にわたって交戦した。

 韓国は西海海上射撃訓練が「北方限界線以南で実施された通常の訓練」だと主張しているが、北方限界線自体を認めない北朝鮮は「領海に対する侵略」と見なしている。特に北朝鮮は、延坪島砲撃戦の発生直前、K9自走砲の海上射撃に敏感な反応を示した。K9の射程距離は40キロメートルだが、延坪島は北朝鮮の黄海道から13キロメートル離れている。K9が海に向けて射撃訓練を行っているうちに、砲身の方向を変えれば、簡単に海州(ヘジュ)の北朝鮮軍第4軍団司令部を砲撃することができる。

 悪化の一途をたどっている南北関係を考えると、北朝鮮はK9海上射撃訓練の再開に一層敏感に反応する可能性がある。北朝鮮は南北関係を「敵対的な二国間関係」として捉えており、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記兼国務委員長は1月15日、最高人民会議第14期10回会議の施政方針演説で、「北方限界線」について「不法無法」だとしたうえで、「大韓民国がわが領土、領空、領海を0.001ミリでも侵犯すれば、すなわち戦争挑発とみなされるだろう」と述べた。海兵隊だけでなく、北方限界線一帯の海軍艦艇の機動および砲射撃訓練まで再開されれば、南北海軍間の海上衝突に広がる可能性がある。

 市民団体の「参与連帯」は同日、「9・19軍事合意まで効力停止になり、緩衝空間が消えた状況で、偶発的な衝突や事故、誤った判断が戦争につながる危険性が非常に高い」とし、「南北米共に戦争危機を高める軍事行為と威嚇を中止し、武力衝突の予防と危機管理のための対話を再開しなければならない」と対話を求めた。

 このような中、一部の脱北者団体は、早ければ6日から北朝鮮に向けビラを送ると予告した。北朝鮮は2日、汚物風船の散布の中断を発表する際、「北朝鮮に向けて再びビラを散布するなら、汚物風船を再び飛ばす」と警告した。

 軍と政府省庁、関連機関で構成された統合防衛本部は同日午前、統合防衛関連機関対策会議を開き、北朝鮮の対南汚物風船の散布と全地球測位システム(GPS)かく乱状況に関して状況を共有し、対応策を点検した。

 一方、国防部はこの日、2017年以後7年ぶりに米国のB1B戦略爆撃機が朝鮮半島で合同直撃弾(JDAM)を投下する実射撃訓練を行い、縦深標的に対する精密打撃能力を示したと発表した。米国の戦略爆撃機が朝鮮半島で展開されたのは今年で2回目だ。

クォン・ヒョクチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )