# 現実とフィクション

「その人にしか書けないものが本である」尾崎世界観の代表作になるべきバンド小説/『転の声』書評
2024.08.06

「その人にしか書けないものが本である」尾崎世界観の代表作になるべきバンド小説/『転の声』書評

 世の中には読んだほうがいい本がたくさんある。もちろん読まなくていい本だってたくさんある。でもその数の多さに選びきれず、もしくは目に留めず、心の糧を取りこぼしてしまうのはあまりにもったいない。そこで当欄では、書店で働く現場の人々が今おすすめの新刊を毎週紹介する。本を読まなくても死にはしない。で

ポーラ美術館『フィリップ・パレーノ:この場所、あの空』展レポ。注目の現代美術作家による大規模個展
2024.07.11

ポーラ美術館『フィリップ・パレーノ:この場所、あの空』展レポ。注目の現代美術作家による大規模個展

『フィリップ・パレーノ:この場所、あの空』展が12月1日まで箱根・ポーラ美術館で開催されている。フィリップ・パレーノは映像、音、彫刻、オブジェ、テキスト、ドローイングなどを用いて、現実 / フィクション / 仮想の境界や、実物と人工物との間に生じる乖離やずれなどを表現するフランス

笑うしかないけれど、遅効性の毒みたいな映画 「男女残酷物語 サソリ決戦」を見て考えた、女が男に復讐する映画と古い知人【二村ヒトシコラム】
2024.06.14

笑うしかないけれど、遅効性の毒みたいな映画 「男女残酷物語 サソリ決戦」を見て考えた、女が男に復讐する映画と古い知人【二村ヒトシコラム】

 作家でAV監督の二村ヒトシさんが、恋愛、セックスを描く映画を読み解くコラムです。今回は性的異常を抱える男と彼に監禁された女の終わりなき対決を、前衛的かつポップな世界観で描いた1969年製作のイタリア製セックススリラー「男女残酷物語 サソリ決戦」。 日本では長らく未公開でその存在