大坂、取り戻した強さ 撃破逃すも「楽しかった」―全仏テニス

AI要約

大坂なおみがマッチポイントを握りながらも勝利を逃し、激しい試合を経て充実感を抱いている。

復帰後2度目の四大大会で強さを取り戻し、元世界ランク1位の力を見せつける大坂。

苦手なクレーコートで手応えを得つつも、女王に敗れたもののポジティブな気持ちを抱いている。

大坂、取り戻した強さ 撃破逃すも「楽しかった」―全仏テニス

 マッチポイントを握り、女王をあと一歩まで追い詰めながら大坂は勝利を逃した。

 それでも場内から「なおみ」コールも浴びた2時間57分の激闘に充実感があった。「これまでやってきた試合の中で一番、楽しかったかもしれない」。穏やかな表情で振り返った。

 出産を経て復帰後、2度目の四大大会。元世界ランク1位に強さが戻ってきた。持ち味のサーブは最速197キロをマークし、リターンの際には立ち位置を変えながら工夫する冷静さも。相手の動きを見ながら逆を突き、ライン際を狙ったショットも次々と決めた。第2セットは6―1と、現世界トップを翻弄(ほんろう)する場面もあった。

 しかし、3連覇がかかる女王は隙を見逃してくれなかった。先にブレークに成功し優位に運んでいた第3セット。5―3の第9ゲームでマッチポイントをしのがれた直後にミスを重ね、流れが変わった。「彼女は大事なポイントで、いいプレーをした」。大坂は相手をたたえるしかなかった。

 2回戦敗退には終わったものの、苦手なクレーコートで手応えを得る戦いだった。「トップ5に戻っていけるような気がする。私にとってそれは最もポジティブなことだ」。つかんだものは大きい。