【虎になれ】痛いミス岡田監督「タッチアップもせえへんしのう」機動力の新庄ハム相手なら余計だ

AI要約

日本ハムが阪神を圧倒し、強さを見せつける試合だった。攻撃の機動力が12球団トップの盗塁数45で表れており、楽しみなチームとして注目されている。

阪神も常に次の塁を狙う姿勢が変わらず、得点を積み重ねるスタイルを貫いている。しかし、試合での痛いミスが結果に繋がることもあった。

5回裏のチャンスでの走塁ミスが痛かった。森下選手がタッチアップを怠り、得点機会を逃してしまったことが後に影響を及ぼす結果となった。

【虎になれ】痛いミス岡田監督「タッチアップもせえへんしのう」機動力の新庄ハム相手なら余計だ

<阪神2-8日本ハム>◇29日◇甲子園

 敵将・新庄剛志ばかりが目立つ試合になったかもしれない。メンバー交換で阪神時代の63番ユニホームをまとった新庄には笑わせてもらった。しかし仰天サプライズだけではない。上位を狙う今季の日本ハムは、評判通り、強い。

 その最大の特徴は12球団トップの盗塁数「45」に代表される機動力だろう。スキあらば走ってくるし、常に次の塁を狙おうという姿勢が各選手から伝わってきた。万波中正を代表格にイキのいい顔ぶれが多いし、楽しみなチームだ。

 しかし、それは阪神の現在のチームカラーにも共通するところが多い。指揮官が岡田彰布になって盗塁数こそ減ったが「次へ、次へ」という姿勢は続いているし、そこから粘っこく得点するスタイルだろう。

 そう考えれば、この日、なかなかに痛いミスがあった。岡田が「タッチアップもせえへんしのう」と嘆いた場面。熱心な虎党、野球ファンなら気づいているだろうが5回、森下翔太の走塁である。

 3点ビハインドの5回裏だ。敵失もあり、無死満塁の好機。ここで5番・渡辺諒が大きな当たりを左中間に飛ばす。抜けたか。大声援の中、日本ハムの中堅・松本剛がキャッチ。「あ~」とため息交じりの中、三走・中野拓夢が生還する。

 だが二走・森下は当たりの良さで飛び出したのか、ハーフウエーから二塁へ戻っただけ。落ち着いてタッチアップしていれば1死ながら岡田が「もっとも得点しやすい状況」である一、三塁にできていた。

 「あれは痛かったですね。1点ずつ返していこうという場面でしたから。抜けたと思ったのかな。それにしてもアウトカウントを考えればね。そこは森下と話して、彼も反省していました。次につなげないといけないと思います」

 外野守備走塁コーチ・筒井壮は厳しい表情で話した。言うまでもなく無死ということもあり、抜ければ森下の走力なら焦らずとも生還できる可能性が高かったはず。勝負に「たられば」はないけれど、1死一、三塁にすればその後の展開が変わっていった可能性はあったかもしれない。

 終わってみれば今季ワーストの15安打を浴びての大敗である。しかし細かいプレーの積み重ねが影響してくるのが野球なのだ。「相手は足を使ってくるから余計ですよ」。筒井もそう言った。ここは引き締めていきたい。(敬称略)