鹿屋体育大剣道部、英国協会とパートナーシップ協定…選手受け入れや指導者派遣

AI要約

鹿屋体育大剣道部が英国剣道協会とパートナーシップ協定を結び、選手の受け入れや指導者の派遣を通じてお互いの競技力や指導力の向上、グローバル人材の育成を目指す。

同大剣道部は全国屈指の強豪であり、日本代表選手も輩出している。協定締結のきっかけは同部OBの活動から始まり、英国の剣道競技人口に関する課題を発見した。

交流を深めることで選手の成長や国際交流の機会を広げると共に、欧州の剣道界でも注目を集める取り組みとなっている。

 剣道の強豪校として知られる鹿児島県鹿屋市の鹿屋体育大剣道部は、英国剣道協会とパートナーシップ協定を結んだ。選手の受け入れや指導者の派遣を通じてお互いの競技力や指導力の向上を図るほか、グローバル人材の育成を目指す。(小山田昌人)

 同大で17日に開かれた協定の調印式。来日した同協会のキンケイド・ジェリー会長は「日本で剣道を学ぶことは、夢見ることしかできなかった。私がここで稽古したいぐらいだ」と笑顔で語り、同部の前阪茂樹総監督と握手を交わした。

 同大剣道部は、卒業生が全日本剣道選手権大会を制するなど、全国屈指の強豪。7月にイタリアで開かれる世界選手権大会の日本代表には、卒業生4人が選ばれている。

 協定締結のきっかけは、同部OBの会社員、高波宗人さん(30)が2022年に英国の剣道の実情をみるために渡英したことだ。その際、日本で剣道を学ぶことを熱望する選手が多いことを同協会幹部から聞いた。

 同協会によると、英国の剣道の競技人口は約1500人で、実力は欧州で上位だ。ただ、日本で学ぶには、個人で受け入れ先の指導者や道場を探さなければならず、諦める選手も少なくないという。

 そうした事情を知った高波さんが、前阪総監督に相談して昨夏、同部で若手選手3人を受け入れた。数日間にわたって練習を積んだり、武道に関する同大のゼミにも参加したりした。3人は今夏の世界選手権大会の英国代表に選ばれたという。

 前阪総監督は「剣道を通じた国際交流によって様々な経験を積むことができ、人間として成長できる機会になる」と話す。キンケイド会長は「英国内だけでなく、欧州全体の剣道界で注目されている。選手同士の交流が深まることにも期待している」と語った。

 同協会は18日、鹿児島市の志学館大とも剣道の普及に関する協定を締結した。