【地方競馬】マルカイグアスの兵庫優駿制覇は優秀スタッフのそろった厩舎力のなせる業

AI要約

兵庫ダービーから兵庫優駿に名称が変更され、3歳頂上決戦を制したマルカイグアスの活躍。

橋本忠明調教師の厳選したレース選びと使い方の特徴。

マルカイグアスの充実した仕上げと厩舎力の高さについて。

【地方競馬】マルカイグアスの兵庫優駿制覇は優秀スタッフのそろった厩舎力のなせる業

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 2023年までの兵庫ダービーが、24年から兵庫優駿に名称が変更された。その3歳頂上決戦を勝ったのはマルカイグアス。2歳王者決定戦だった昨年の園田ジュニアカップ覇者なら当然の結果とも言える。

 マルカイグアスはデビューから8戦全て入着で、まだ底を見せていない。それでも、1番人気になったのは1回だけ。兵庫優駿トライアルだった2走前のオオエライジンメモリアルで結果は2着。兵庫優駿が3番人気、園田ジュニアカップは5番人気だった。厳選したレースだけを走らせる橋本忠明調教師の使用法が反映しているのだろう。

 「競走馬は使うごとに消耗するので、決めたレースだけで勝負したい。昨年のマルカイグアスは4戦だけと決めていて、最後にきっちり勝ってくれた」

 競走馬の使用パターンの一つに、休養明けに重賞の前哨戦を試して、本番の重賞に臨むローテーションがある。多くの調教師がその流れを踏襲するが、橋本明師はこだわらない。場合によっては、復帰初戦で重賞直行も辞さない。そういう場合、かなりの有力馬でも1番人気まで推されることはまれだ。

 兵庫優駿に向けては、あえて1カ月前にトライアルレースで使った。テンが速くないマルカイグアスの課題を確認すると、ゲート練習を繰り返し、レース当日までに馬体重を16キロ絞った。

 その過程を目にしていた同じ西脇所属の調教師からは「今回は馬体が違う。マルカイグアスの出来が一番いい」と称賛する声が相次いだ。レース本番から逆算した見事な仕上げは、優秀なスタッフがそろった厩舎力のなせる業なのだろう。(地方競馬担当・中山伸治)