廃部から18年 一本の線でつながるシダックス野球部とオイシックス新潟の“球縁”…キッチンカーの食事提供が選手に好評

AI要約

シダックスグループは、オイシックス新潟の選手向けにキッチンカーによる食事提供を行っており、スポーツ栄養士が監修した栄養バランスの良い食事を提供している。オイシックス・ラ・大地との関係性から実現したこの取り組みには、元野村克也監督の教えを受けたスタッフも関わっている。

オイシックス新潟のチーム強化アドバイザー兼投手コーチには、シダックス出身の野間口貴彦氏が就任しており、元日本ハムの武田勝氏も投手コーチとして関わっている。野村克也監督との縁もあることから、野村監督が愛した静岡のキャンプ地で開幕前の調整が行われている。

シダックス野球部のOBたちは、現在も野球に情熱を持ち続け、後進に野村の哲学を伝え続けている。シダックス野球部とオイシックス新潟の関係は、18年の歳月を経て再びつながり、野球愛と魂が次世代に受け継がれている。

廃部から18年 一本の線でつながるシダックス野球部とオイシックス新潟の“球縁”…キッチンカーの食事提供が選手に好評

 シダックスグループは、今季からイースタン・リーグに加入したオイシックス新潟の選手向けに、4月から関東地域対象のビジター約40試合で、キッチンカーによる食事提供をしている。食事はすべて、シダックスの公認スポーツ栄養士が献立を監修したもの。調理師資格を持つスタッフが現地で調理・提供する、高糖質、低脂質かつ消化が早い「アスリート食」だ。

 シダックスは昨年末、オイシックス・ラ・大地のグループ会社となった。そしてほぼ同時期に、オイシックス・ラ・大地は、イースタン参加が承認されたBC新潟と資本提携し、メインスポンサーに。前述のキッチンカーによる食事提供は、このような背景で実現した。

 偶然か運命か。オイシックス新潟のチーム強化アドバイザー兼投手コーチを務めるのは、シダックス時代に野村克也GM兼監督の薫陶を受け、2004年ドラフト自由獲得枠で巨人入りした野間口貴彦氏。さらに投手コーチとして、同じく野村シダックスのエースとして奮闘し、都市対抗野球大会などで力投した元日本ハム・武田勝氏が務めることも興味深い。開幕前の春季キャンプは、野村監督も愛した静岡・中伊豆の「志太スタジアム」で行われた。

 野村監督は2005年限りで、シダックスの監督を退任。楽天の指揮官に就任した。その翌年となる2006年、惜しまれながらも廃部となったが、18年の時を経て、シダックス野球部とオイシックス新潟が一本の線でつながったと言える。

 シダックス野球部のOBたちはプロや大学野球、高校野球、少年野球や学童野球など様々なカテゴリーで、今でも“ノムラの考え”を後進たちに伝え続けている。赤いユニホームに身を包んだ男たちの野球愛と熱き魂は、次世代へと継承されていく。(加藤 弘士)