NPBのタイブレーク導入検討は「目的・メリット・デメリット」見極め慎重な議論必要…WBCでは導入

AI要約

日本野球機構(NPB)と12球団は延長タイブレーク制導入について話し合いを始めており、導入する場合は早くても26年シーズンからとなる。

議論は早急な導入ではなく、目的を明確に設定する必要があり、設定しだいで具体的な採用方法も変わる可能性がある。

選手やファンにとって引き分けに対するアレルギーが強くない日本野球界では、導入には慎重な姿勢が求められている。メリットやデメリットを考慮し、現場の意見も重視して検討される予定。

NPBのタイブレーク導入検討は「目的・メリット・デメリット」見極め慎重な議論必要…WBCでは導入

 日本野球機構(NPB)と12球団は1日、都内で実行委員会を開催し、セ・パ両リーグの公式戦において、延長タイブレーク制導入に関する話し合いをすでに始めていることを井原敦事務局長が明らかにした。結論を出す時期などは設けておらず、導入する場合は、早くても26年シーズンからとなる。

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 必ずしも早急な導入を前提にした議論ではない。井原事務局長はタイブレーク制を導入する話し合いを本格化させる前に、まずは目的を明確に設定する重要性を口にした。目的次第で「無死二塁」からか、それとも「無死一、二塁」から始めるのかなど、設定も変わってくるはずだ。

 原則として勝敗が決するまで延長戦を続けていた大リーグは、コロナ禍の20年から採用し、大きな変革となったが、NPBは「引き分けは、ずっとあったわけだし数も多くない」(井原事務局長)と選手やファンにしても、引き分けに対するアレルギーは強くない。阪神・岡田監督は23年1月の12球団監督会議で「引き分けも戦術のうち。(ペナントレースは)勝率の勝負だから。もし、やるなら、プロとして何かもっとすごいことを考えた方がいい」と導入に反対している。

 選手の負担や疲労軽減はメリットだが、井原事務局長はピンチの場面で登板する投手の負担増となる可能性も指摘。日本が重きを置くWBCでは導入されており、公式戦から慣れておくことは世界一を目指す上では利点になる。メリット、デメリットがあるだけに現場の意見も参考にして慎重に見極めていくことになる。