初の甲子園狙う春準V・日大明誠 第2シードで迎える夏へ「緊張の場面でやれるか」

AI要約

日大明誠が春の山梨県大会で準優勝し、関東大会に出場したが初戦で敗れ、26年ぶりの出場を果たしたことがインパクトを与えた。

指揮官である三好孝尚監督は、選手たちに寄り添いつつ冷静な指導を行い、選手たちの成長を支えている。

日大明誠は練習時間が限られており、下校時間や授業時間に合わせて短い時間で効率的な練習を行っている。

初の甲子園狙う春準V・日大明誠 第2シードで迎える夏へ「緊張の場面でやれるか」

春の山梨県大会では準優勝し、関東大会へ出場した日大明誠が、夏の対抗馬として注目を集める。関東大会では初戦の花咲徳栄には力及ばず敗れたが、26年ぶりに出場したことはインパクトを与えた。

日大明誠は山梨県上野原市に学校がある。私学ではあるものの、寮を持っていないため、全員が通い。比較的東京からでもなんとか通える場所に位置していることもあり、八王子や立川といったところからも選手たちは通っているという。

「中学時代からバリバリ試合に出ていた選手もいますが、多くは控えだった選手たちが、ウチに来て試合に出るチャンスをつかんで、成長をしてくれていると思います」

指揮官・三好孝尚監督は、選手たちの様子を見ながら、冷静な口調で語る。自身は日大豊山、立教大で現役時代を過ごし、日大明誠の監督として今年4年目を迎えた。

取材当日はランナーを付けた投内連携の確認、その後はグループに分かれてバッティング練習と進んでいったが、基本的には選手たちが中心となって練習は行われた。もちろん指導すべきところ、伝えるべきことがあれば三好監督が話すが、基本的には一歩引いたところから俯瞰してプレーをチェックし、選手たちにアドバイスを送る姿が印象深かった。

チームをまとめる主将・本馬翔太も「選手に対してすごく寄り添ってくれますし、ほんとに話しやすい監督です」と三好監督の指導に感謝をしているようだったが、それは三好監督のなかでも、こだわりがあってのこと。

「うちの場合、大学以上で継続してくれる選手ももちろんいますが、多くが高校野球で第一線を退くケースが多いんです。だから野球が好きなままで次の道に進んでほしいですし、もし教える立場になった時に、その子の助けになるような経験をさせたり、教えたりできたらと思うんです。

だから、個別で技術や戦術的なことを教えることは大事だと思っています」

ただ、日大明誠の練習時間は決して長い時間を確保できるわけではない。

完全下校が土日含めて19時と定められているため、整備・片付け等の時間を考えても、18時半前後には切り上げなければ、下校時間に間に合わない。

学校の授業も15時すぎまではあるため、着替えやアップなどをしていたら、あっという間に16時。実際にボールを使った練習は2時間前後になるという。「出来るだけ全員が同じ練習をできるように意識している」という三好監督の方針のもと、主力組と控え組が入れ替わるようにグラウンドを使うことを踏まえても、周りの強豪私学に比べれば、練習時間は短い。