「絶対勝つ」西武の24歳、前夜の源田ヘッスラが頭から離れず…球団36年ぶり100球未満完封で連敗止めた

AI要約

西武5−0広島の試合で、隅田知一郎投手が100球未満の完封勝利を果たし、36年ぶりの快挙を達成した。

隅田投手は自らのミスをカバーし、キレのある速球と変化球を駆使して好投した。試合を通じて投打がかみ合い、連敗は8でストップした。

湿度が高い中での完封劇を終えた隅田投手は、記念にとウィニングボールをいとおしそうに触れていた。

「絶対勝つ」西武の24歳、前夜の源田ヘッスラが頭から離れず…球団36年ぶり100球未満完封で連敗止めた

◆日本生命セ・パ交流戦 西武5―0広島(12日・ベルーナドーム)

 新しい景色が目の前に広がった。この日の99球目。小園を得意のチェンジアップで空振り三振に仕留めると、西武・隅田知一郎投手(24)は捕手の古賀と抱き合って喜んだ。球団で100球未満の完封勝利“マダックス”は、88年9月1日の阪急戦(西武)で松沼博が達成して以来36年ぶりの快挙。「すごく鳥肌が立ちました」。本拠地で初めての完封劇に、お立ち台で笑みを浮かべた。

 登板前日でベンチから外れた11日の夜、味方の試合をテレビで観戦。源田が一塁へヘッドスライディングをしたエンディングが頭から離れなかった。「源田さんとかのすごい悔しい姿を見て、きょうは絶対勝つぞという気持ちでマウンドに上がりました」。2回1死一塁、自らのけん制が悪送球となって走者を二塁に進めるが、2死後にけん制で刺してピンチの芽を摘んだ。キレのある速球にチェンジアップ、カーブを低めに集めて打たせて取った。「積極的にストライク勝負できたことが結果に結びついたと思います」。5点を先制してくれた打線の援護もあり、4安打で今季初めて9回を投げきった。

 投打がかみ合って連敗は8でストップ。渡辺GM兼監督代行は「やっぱり連敗しているときは投手が完封するに限ると思います」と左腕をほめた。試合時の湿度が80%を超える悪条件での完封劇。「こういう暑い中、投げ切れたのはすごい自信になりました」と隅田。「記念にします」というウィニングボールをいとおしそうに触れていた。(秋本 正己)

 ◆マダックス 100球未満での完封勝利を指す造語。抜群の制球力を武器にブレーブスなどでメジャー通算355勝を挙げたグレッグ・マダックスが、100球未満での9回完封を13度飾ったことにちなみ、野球作家のジェイソン・ルークハートが提唱した。