オット・タナクが0.2秒差で逆転。ヒョンデ復帰後初勝利、日曜最速はティエリー・ヌービルに/WRC第6戦イタリア最終日

AI要約

6月2日(日)、WRC世界ラリー選手権第6戦『ラリー・イタリア・サルディニア』の競技最終日となるデイ3が行われ、ヒョンデ・シェル・モービスWRTのオット・タナク/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヒョンデi20 Nラリー1)が総合優勝を飾った。

また、2024年シーズンから新たにポイント付与の対象となった日曜日のみの総合順位“スーパーサンデー”では、ヒョンデ・シェル・モービスWRTのティエリー・ヌービル/マルティン・ウィダグ組(ヒョンデi20 Nラリー1)が首位となり、7ポイントを獲得した。

■デイ2リタイアのヌービルが気迫あふれる挽回

 6月2日(日)、WRC世界ラリー選手権第6戦『ラリー・イタリア・サルディニア』の競技最終日となるデイ3が行われ、ヒョンデ・シェル・モービスWRTのオット・タナク/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヒョンデi20 Nラリー1)が総合優勝を飾った。また、二日目にマシントラブルによるデイリタイアとなっていた日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、首位と41分28秒1差のクラス7番手で大会を終えている。

 また、2024年シーズンから新たにポイント付与の対象となった日曜日のみの総合順位“スーパーサンデー”では、ヒョンデ・シェル・モービスWRTのティエリー・ヌービル/マルティン・ウィダグ組(ヒョンデi20 Nラリー1)が首位となり、7ポイントを獲得した。

■デイ2リタイアのヌービルが気迫あふれる挽回

 金曜日にシェイクダウンとデイ1をともに実施するというショートフォーマットでの開催となっている第6戦。迎えた最終日デイ3は、気温22度と過ごしやすい晴れ空のもとで合計4本のスペシャルステージ(SS)が行われ、SS総距離は39.30km、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は192.31kmとなった。

 タイヤ選択は、ほぼ全車がソフト5本となり、ダニエル・ソルド(ヒョンデi20 Nラリー1)のみがソフト4本にハード1本という選択となった。

 現地時間8時より開始となったSS13では、海岸付近の丘の上を走るサンドグラベル(未舗装路)を舞台に、ティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)からコースインしていく。

 最初のランのためにコースの“掃除役”となったヌービルは、デイリタイアを喫したデイ2のポイントロスを挽回すべく、一本目から他を寄せ付けない走りでベストタイムをマークし、そのままステージウインをあげた。

 そして総合首位につけるセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、2番手のオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)に対して13.1秒のリードがあることを確認し、ギャップをコントロールするペースで4番手タイムをマーク。追うタナクは、日曜日のポイントの多く得るべく、トップから4.6秒遅れの2番手タイムを刻み、ハイペースの構えだ。

 続くSS14は、内地から海岸線を目指して小丘を真っすぐに越えていく壮観なステージ。こちらはさらに砂の目立つグラベルが舞台となったが、ここでも先頭走者のヌービルが気迫あふれる走りでベストタイムをマークした。さらに僚友タナクも2番手につけ、6番手タイムとなったオジエとの総合ギャップは6.6秒に縮まった。

■タナクが最終ステージで逆転。日曜最速はヌービル

 この日最初のステージの再走となるSS15。路面コンディションは1度目の走行によって砂が掃けた様子で、各車がペースアップを見せるなかで総合首位を争うふたりの争いはさらに熱を帯びていく。

 今季初勝利が近づいてきたタナクは、さらなるギヤアップでベストタイムをマーク。総距離12.55kmのステージで、午前のタイムから16.5秒ショートの走りで追い上げるタナクに対し、百戦錬磨のオジエも0.4秒差の2番手タイムで応酬。最終パワーステージを前に、優勝争いは6.2秒差に接近した。

 最後のSS16は、海岸線を抜けて行く再走ステージだ。こちらはトップ5のタイムをマークしたドライバーを対象にボーナスポイントが与えられる『ウルフ・パワーステージ』となる。

 ここまで15本のステージを終えて、6.2秒差という一騎打ちとなった首位争い。先にコースに出たタナクは暫定2番手タイムをマークしてオジエのゴールを待つ。皆が見守るなか、最終走者はここでまさかの6番手タイムとくすぶり、タナクが総合で0.2秒差の逆転。見事今季初優勝を飾った。走行を終えたオジエは、失速の原因として「パンクがあった」口にした。そして、最速タイムをマークしたのはヌービル組となり、ボーナスの5ポイントを手にしている。残る表彰台の総合3位には今季2戦目の出走となったソルドが続いた。

 WRC2クラスは、クラス首位で最終日を迎えたサミ・パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー2)がリードを守り切り、今季初優勝。トヨタGRヤリス・ラリー2にとっては第5戦ポルトガルから続く2連勝となった。2位には、デイ2すべてのステージを制してデイ1での遅れを挽回したヨアン・ロッセル(シトロエンC3ラリー2)がつけ、3位には第5戦ポルトガルを制したヤン・ソランス(トヨタGRヤリス・ラリー2)が続いた。

 2024年WRCの次戦『ラリー・ポーランド』は、2017年以来のWRC復帰となる大会で、路面コンディションはグラベルとなる。2017年大会では、超高速ラリーかつ雨の影響でぬかるんだサーフェスが特徴となったが、7年ぶりの開催ということで精力状況は未知数なイベントにもなりそうだ。2024年シーズン第7戦目となる『ラリー・ポーランド』は、6月27日(木)から6月30日(日)にかけて開催される予定だ。

[オートスポーツweb 2024年06月02日]