「何か変えなきゃ」危機感から始まったソフトバンク佐藤直樹の今シーズン 育成で過ごした2軍のハイアベレージが示した進化

AI要約

ソフトバンクが広島を2-0で下し、柳田不在の危機に立ち向かった試合を振り返る。

支配下に戻り、急遽起用された佐藤直樹が活躍し、チームの勝利に貢献。

柳田悠岐の穴を埋めるべく奮闘するチームの姿と佐藤直樹の成長が試合で示された。

「何か変えなきゃ」危機感から始まったソフトバンク佐藤直樹の今シーズン 育成で過ごした2軍のハイアベレージが示した進化

 ◆日本生命セ・パ交流戦 ソフトバンク2―0広島(1日、みずほペイペイドーム)

 柳田不在の危機に直面したチームのカンフル剤となった。セ首位の広島に連勝した試合後。ソフトバンクの小久保裕紀監督は「新たな佐藤直樹として、いい滑り出しだった」とたたえた。この日支配下復帰して即座に期待に応えた25歳も「忘れられない一日」と感慨深げに語った。

 「1番中堅」で先発し、3回は遊ゴロが敵失を誘って二塁に進塁。今宮健太の右前打で俊足を飛ばして先制のホームを踏んだ。4回には昨年5月6日以来の安打となる右前打を放ち、二盗も成功。5回には浅い飛球を滑り込みながら好捕した。

 2020年にドラフト1位で入団したが、23年オフに戦力外となり育成で再出発。柳田悠岐の長期離脱で、白羽の矢が立った。この日は2軍の遠征先の関西から朝一番の新幹線で福岡に戻り、3桁から昨季までと同じ背番号30に戻ってプレーした。

 支配下から育成に立場が変わったオフに「何か変えなきゃ」と柳田の自主トレに参加。打撃では逆方向への当たりを意識し、2軍で打率3割4分の高打率をマーク。昨季まで1軍では通算打率1割2分9厘だったが、大きな進歩を見せていた。

 試合前、小久保監督は選手に「柳田の穴を埋めようとは考えなくていい」と伝えた。そして、チーム一丸の勝利で3カードぶりに勝ち越した。試合後には「(柳田の離脱前と)変わらないような試合運びをしたい」。佐藤直が大切なピースとなる。(鬼塚淳乃介)