【山口県】強豪の徳高破り俳句甲子園出場 下松工高・理系生徒が名俳人に 「思いを句に込め」全国の舞台へ

AI要約

下松工高Aチームが初出場して強豪を破り、全国高校俳句選手権大会に進出

生徒たちは俳句甲子園の参加経験はないが、地方大会で活躍し全国大会へ

化学工業科の生徒が質疑応答に力を入れて勝利し、全国大会でも挑戦する意気込み

【山口県】強豪の徳高破り俳句甲子園出場 下松工高・理系生徒が名俳人に 「思いを句に込め」全国の舞台へ

 全国の高校生の俳句の祭典、第27回俳句甲子園・全国高校俳句選手権大会に山口県下松市の下松工高Aチームが初出場する。16日に防府市地域交流センター・アスピラートで開かれた中国地方大会で、全国優勝の経験がある強豪の徳山高チームを破った。工業高校チームが俳句甲子園の全国大会に進むのは珍しく、活躍が注目される。大会は8月23日(金)から25日(日)まで松山市で開かれる。

 俳句甲子園は同一高校の生徒が5人1組で参加し、相手チームと先鋒戦、中堅戦、大将戦で1句ずつ披露して優劣を競う。さらに句の疑問点を質問し合うディベート形式の質疑応答がある。審査員は作品と質疑応答を点数化して審査する。

 下松工高は俳句甲子園に出場した経験はないが、同校同窓会「下松工業会」の元会長で市俳句協会の河村正浩会長の勧めや、国語の徳永京子教諭が授業で俳句を取り入れた際に興味を示した生徒に声をかけたことがきっかけで、地方大会への出場が決まった。

 参加した生徒は情報電子科、電子機械科、化学工業科に所属し、部活動も吹奏楽部、情報処理部、ロボット科学部、写真部で俳句とは無縁。それでも日々の暮らしや情景を句に詠んで大会に臨んだ。

 地方大会の兼題(課題の季語)は「長閑(のどか)」「蝌蚪(かと=オタマジャクシ)」「薊(あざみ)」。下松工高Aは質疑応答に力点を置き、できるだけ自分たちの言葉を絞って発言回数を少なくした。

 化学工業科3年の岩本リカさんは「言葉が多いとボロもたくさん出る。ボロを出さないためには言葉を絞る必要があると思った」と作戦の意図を明かす。結果、下松工高Aは質疑応答点の高さで徳山高チームを破った。

 最優秀句の「蝌蚪群るる文字いっぱいの求人票」を詠んだ化学工業科3年の組島綸乃さんは「全国大会でも私たちの思いを句に込めて頑張りたい」と笑顔で話していた。河村会長も「工業高校生らしい感覚でまっすぐに頑張ってほしい」とエールを送っている。

 大会は31都道府県の78校から99チームが参戦する。下松工高からは化学工業科3年の濱田輝月さんも補員で参加する。