改札省くワンマン列車の運行、JR徳島線で増加 不正乗車の危険も

AI要約

JR四国が徳島線で改札を省いたワンマン列車の運行を増やしているが、不正乗車のリスクが高まっている。

ワンマン列車は2両編成で任意の扉から乗り降り可能で、車内で切符を運賃箱に入れるよう促す。

JR四国は抜き打ちで車掌を乗務させる対策を取り、スマートフォンで切符が購入できるアプリの普及を図っている。

改札省くワンマン列車の運行、JR徳島線で増加 不正乗車の危険も

 JR四国が、改札を省いたワンマン列車の運行を徳島線で増やしている。人手不足で車掌を確保できないための苦肉の策だが、無人駅で降りる人は誰のチェックも受けずに切符や運賃を駅の運賃箱に入れており、不正乗車される危険をはらんでいる。

 ワンマン列車は通常は1両で「後ろ乗り前降り」だが、改札を省いたワンマン列車は2両編成で運行されており、どの扉からも乗り降りできる。車内では、切符や運賃を駅の運賃箱に入れるよう促すアナウンスが流れている。

 こうした列車の運用は「信用乗車方式」と呼ばれ、JR四国では2016年に予讃線の高松―多度津間と土讃線の多度津―琴平間で初めて採用した。徳島県内では22年に徳島線の徳島―阿波池田駅間で初めて導入し、当初は1日9本だったのが、現在は13本に増えている。1日に運行する普通列車60本のうち約2割が信用乗車方式となる。

 運転士による改札を省いたのは、2両編成では降りる客が多く、精算などに手間取ると停車時間が長引くためだ。しかし、不正乗車のリスクは高まる。徳島線の多くは無人駅で、有人駅は全26駅中、徳島、鴨島、穴吹、阿波池田の4駅しかない。

 対策としてJR四国は、ワンマン列車に抜き打ちで車掌を乗務させ、車内で切符を確認しているという。不正乗車には3倍の料金を徴収する罰則があるものの、券売機がない駅もあるため、切符を持っていない人がいても不正乗車とは認定できず、正規料金を徴収することしかできない。

 JR四国は「必要な切符を購入していただきたい」と呼び掛け、スマートフォンで切符が買える独自のアプリの普及を図っている。