近隣中学校の不登校生受け入れ、福島市で8月末開始へ スペシャルサポートルームの5校、県内で初の取り組み

AI要約

福島市教委は、県内初の取り組みとして、不登校の児童生徒の学習機会を確保するために、近隣中学校の生徒も通えるようにする「スペシャルサポートルーム(SSR)」を設置する準備を進めている。

SSRは、自分のペースで学習に取り組むことができるよう工夫されており、福島市内の5中学校に設置される。不登校の児童生徒が増加しており、学びの場としての重要性が高まっている。

昨年度の福島市の不登校児童生徒数が増加しており、不登校のきっかけは多様化する中、SSRは学びの場だけでなく居場所としての役割も果たしている。

 福島市教委は、不登校の児童生徒の学習機会を確保するため県教委が専任の教員を配置している市内5中学校の「スペシャルサポートルーム(SSR)」に、近隣中学校の生徒も通えるようにする。2学期が始まる8月末の開始を目指して準備を進めている。県教委によると、県内初の取り組みという。

 SSRは県内の小学校5校、中学校25校の計30校に設置。席の配置や間仕切りを工夫するなど、自分のペースで学習に取り組むことができるよう配慮されている。福島市内では福島四、信陵、北信、松陵、信夫の各中学校に設置。5校を新たに「不登校生徒地区支援校」と位置付け、方部ごとに近隣の生徒を受け入れる。

 昨年度の福島市の不登校の児童生徒は、小学生が216人、中学生が543人。新型コロナウイルス禍前の2019年度に比べ、小学生が115人、中学生が237人増加した。佐藤秀美教育長は「不登校に至るきっかけは多様化・複雑化している。(SSRは)児童生徒の学びの場であるとともに居場所になっている」と重要性を語った。