アメリカ最大規模のベーシックアパレル「フルーツ オブ ザ ルーム」の歴史に裏付けられたアメリカンスタンダード

AI要約

FRUIT OF THE LOOMは1851年に創業され、フルーツのマークが特徴的なブランドである。

フルーツのマークは最初はりんごの絵だったが、後にさまざまなフルーツの絵に変更され、アイコン的存在となった。

ライセンス契約をきっかけに、FRUIT OF THE LOOMは肌着から始まり、インナーウエアや普段着も展開していった。

アメリカ最大規模のベーシックアパレル「フルーツ オブ ザ ルーム」の歴史に裏付けられたアメリカンスタンダード

トレードマークのたくさんのフルーツが描かれたアイテムで知られる「FRUIT OF THE LOOM(フルーツ オブ ザ ルーム)」。

アメリカに古くからあるブランドとして知る人も多いのではないだろうか。その歴史はかなり古く、まもなく創業180年になろうというほどだ。日本支部であるFTLジャパン株式会社には、その歴史を振り返ることのできる資料やデッドストックのアイテムが多数保管されていた。

今回はブランドマネージャーの北見 至(きたみ いたる)さんと、昔の資料やデッドストックのアイテムを見ながらFRUIT OF THE LOOMの歴史を振り返り、現在の定番アイテムを紹介していただこう。

「1851年に、アメリカ50州のなかで一1番小さい東海岸のロードアイランド州で創業しました。

『Benjamin Knight(ベンジャミン・ナイト)』と『Robert Knight(ロバート・ナイト)』という兄弟で『B.B.&R. Knight(ビー・ビー・アンド・アール・ナイト)社』という綿生地を取り扱う会社をはじめます。

いまのアイコンになっているフルーツのマークは最初、りんごのみの絵でした。Robert氏の友人の娘が描いたりんごの絵をラベルにして生地に貼って売り出した際に、大変人気が出たというエピソードがあり、そのりんごの絵に価値を見いだしたRobert氏はすべての商品にりんごの絵を貼り、それがアイコン的な存在になっていったそうです」

「このりんごの絵がきっかけで、1871年にFRUIT OF THE LOOMというブランドが誕生します。そして1893年にシカゴ・ワールドフェアというトレードショーに参加する際にアイコンとなっていたりんごの絵から数々のフルーツの絵に変更することになるのですが、これが現在のFRUIT OF THE LOOMのアイコンの原型となりました」

FRUIT OF THE LOOMというブランド名がついてからもしばらく綿生地の取り扱いは続いていたのだが、ライセンス契約としてFRUIT OF THE LOOMの肌着の商品展開がはじまったことが、いまのアパレル事業につながっているという。

「1938年『UNION UNDER WEAR(ユニオン アンダー ウェア)社』という肌着を作る会社とライセンス契約を結びます。これによりFRUIT OF THE LOOMのネームのついたインナーウエアやボクサーパンツのアンダーウエアが誕生し、品質が良く、良心的な値段のその肌着はブランドを軌道に乗せて商品数も増え、1950~1960年代にはTシャツ、スウェットシャツのような普段着も展開していきます」