フレンチ・エレガンスを極めたピエール・バルマンの美ドレス【後編】

AI要約

ピエール・バルマンの革新的なデザインによる魅惑のドレスがセレブたちを魅了し、エリザベス女王やブリジット・バルドー、ソフィア・ローレンなどに愛用された。

映画や舞台の衣装も手がけ、バルマンのテーラリング技術とグラマーへのこだわりが光る作品が数多く生まれた。

ウエディング・ドレスからイヴニングドレス、豪華なジュエリーを施した衣装まで、バルマンのファッションは時代を超えて魅力を放つ。

フレンチ・エレガンスを極めたピエール・バルマンの美ドレス【後編】

「ニュー・フレンチスタイル」と言われた革新的なデザインで、1950年代のモード界に一大旋風を巻き起こし、クリストバル・バレンシアガ、クリスチャン・ディオールと並び3大デザイナーと呼ばれたピエール・バルマン。気品あふれるドレスが多くのセレブたちを魅了してきました。多くの人に愛された魅惑のドレスをご紹介。前編とあわせてチェックを!

ロンドンで開催されたロイヤル・コマンド・パフォーマンスに招待され、エリザベス女王に拝謁したブリジット・バルドー。その際にまとったパールの刺しゅう入りドレスはバルマンがデザイン。拝謁の場ではデコルテドレスが禁止されていたので、ピエール自身が急遽ロンドンへ飛び、胸元を隠すためのリボン飾りを縫製しました。

ブリジット・バルドーに再び衣装を提供した映画『可愛い悪魔』。バルマンの真骨頂であるテーラリング技術を駆使したコートが、上品で洗練された雰囲気。この作品でバルドーは、強盗容疑をかけられ、弁護士とのロマンスに巻き込まれていく女性を演じています。

映画『求むハズ』に主演したイタリアの大女優、ソフィア・ローレンの衣装を担当。大富豪である彼女の役柄を体現するため、ゴージャスなジュエリーを合わせた衣装がたくさん登場しました。

劇中に登場したレザーのベルテッドドレスはこの映画を象徴するドレスの一つ。お揃いのレザーハットとの着こなしがなんともクール!

ヴィヴィアン・リーの晩年の名作『ローマの哀愁』の衣装を担当。1970年代のイタリアの情景とともに、堕ちていくかつての大女優という役柄が、エレガンスあふれるファッションとともに表現されています。

バルマンのグラマーへのこだわりは、映画『明日になれば他人』のシド・チャリシーの衣装で存分で発揮されることに。パールのネックレスと組み合わされた、華やかなビーディングドレスは、この映画のシグネチャー的ルックです。

「ジョリ・マダム」(富裕階級の女性たち)を顧客に持ったバルマンはイブニングドレスとともに、ウエディング・ドレスも数多く手がけました。ウエストにリボンをあしらった刺しゅうレースの愛らしいドレスは、ボリュームたっぷりのベールが新鮮なインパクトを添えています。