「分刻みの結婚式」は嫌!ゆるい挙式を望む20代夫婦の前にそびえる「ウェディングの壁」

AI要約

若者の結婚式に関する不満や希望についてのアンケート結果を元に、リラックスウエディングについて考察。

令和の若者には3万円のご祝儀が高いと感じる傾向があり、長時間や拘束感のある結婚式に不満を持つ声もある。

欧米風のリラックスウエディングが注目されており、特にガーデンウエディングや気取らないパーティスタイルが人気を集めている。

「分刻みの結婚式」は嫌!ゆるい挙式を望む20代夫婦の前にそびえる「ウェディングの壁」

 LINEでできる式場探し「トキハナ」を運営する株式会社トキハナが、令和の若者374人に聞いた「結婚式・結婚に関する不満を教えてください!」アンケートによると、「参列者として嫌だったこと、困ったこと」の1位は「3万円のご祝儀が高い」。

続く2位は「謎ドレスコード」、3位は「長時間の拘束」だった。

 コスパ、タイパ重視の若者にとって、「ご祝儀の金額設定が世の中の物価、給与と合ってない」「自分は結婚も結婚式もしないので一方的に支払うだけ」「お祝いしたいだけなのに社会的に3万円と決められてしまっているのが謎」などという考えはもっともなように聞こえるし、「参列者に課される3時間以上の長い拘束時間」や「待ち時間」、「新郎新婦との交流の少なさ」への不満も理解できる。

 カウンセラー全員が業界を熟知した元ウエディングプランナーという「トキハナ」のウエディングカウンセラーの神田裕子さんが、後悔のない結婚式にするためのヒントをお伝えする連載。

第10回目はそんな参列者の意見もある中で、時間に縛られない「リラックスウエディング」を希望するカップルからの相談である。

 新郎は「音楽とお酒、会話をゆっくり楽しむ、日常の延長線にあるような」スタイルのウエディングに慣れ親しんだフランス人。新婦もまたSNSで見た欧米のガーデンウエディングを希望する。

時間がきっちり決められ、分刻みの進行が当たり前の日本の式場で、彼らの希望をどう叶えるのか。

これまで5000組以上のウエディング相談実績を持つ大ベテランの神田さんの寄稿でお届けする。

 6月と言えばジューンブライド。

ヨーロッパに古くから伝わる「6月に結婚式を行うと生涯幸せな結婚生活を送れる」とされる言い伝えです。今では日本でも定着している言葉ですね。

日本では梅雨にあたるため秋や春ほどではないものの、その響きに憧れを持つ方もたくさんいらっしゃいます。

また、ジューンブライド以外にも「ブライズメイド」や「ファーストミート」など、海外の結婚式文化は古くからたくさん日本に渡ってきています。

特にファーストミートは日本でも人気のあるセレモニー。美しい花嫁姿を誰よりも先にパートナーに見てもらいたい、と願う新婦様も少なくありません。

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※ブライズメイド:親しい友人や姉妹がおそろいのドレスを着て花嫁をサポートすること

※ファーストミート:新郎新婦がそれぞれの部屋で支度を整えた後、初めてお互いの姿を見せ合うセレモニー

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 そして、ここ数年注目されているのは「リラックスウエディング」。

日本のように進行(プログラム)がきっちり決まった披露宴ではなく、海外風のゆるーくラフな雰囲気で行う、形式ばらないパーティスタイルです。

 欧米のウエディングといえば、屋外でのガーデンウエディングやダンスタイムなどがよく知られています。日本と違ってパーティ時間は大変長く、一日がかりになることも珍しくありません。音楽とお酒、会話をゆっくり楽しむ、日常の延長線にあるような“特別だけど気取らないパーティ”と言えば良いでしょうか。

新郎新婦とゲストの距離感が近く一体感を感じやすいのが、日本の王道スタイルの結婚式との違いかもしれません。

 映画のワンシーンやSNSで欧米スタイルを知って、「私もこんなウエディングがしたい」と願う方は年々増加傾向にあるように感じます。

6月に結婚式を挙げた美紀さん(仮名・26歳)もそんな理想を持つおひとりでした。