C.ロナウドの「90分の睡眠を1日5回」の睡眠戦略 「『眠れない』ストレスが減る」スリープコーチが解説

AI要約

マドンナ、C.ロナウド、ラリー・ペイジ。歴史に残るスーパースターの活躍を支えているのが、独自の「睡眠戦略」だ。経営者やスポーツ選手らの睡眠改善をサポートしてきたスリープコーチの角谷リョウさんが解説する。

クリスティアーノ・ロナウドの多分割睡眠戦略について。細切れ睡眠でもつらさや眠さを感じず活動できるメリットと、長期続ける際のデメリットについて解説。

マドンナのフレックス睡眠戦略について。自分の活動する時間帯を自分の価値観で決められるメリットと、頻繁に変えることがもたらす体内時計への影響について紹介。

C.ロナウドの「90分の睡眠を1日5回」の睡眠戦略 「『眠れない』ストレスが減る」スリープコーチが解説

 マドンナ、C.ロナウド、ラリー・ペイジ。歴史に残るスーパースターの活躍を支えているのが、独自の「睡眠戦略」だ。経営者やスポーツ選手らの睡眠改善をサポートしてきたスリープコーチの角谷リョウさんが解説する。AERA 2024年6月10日号より。

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■クリスティアーノ・ロナウドの多分割睡眠戦略

【メリット】細切れ睡眠でもつらさや眠さを感じず活動できる

【デメリット】長く続けると「人間らしさ」を失う可能性も

 夜まとまった睡眠を取るのではなく、短い眠を何度も取る「多分割睡眠戦略」は、古くは万物の天才レオナルド・ダ・ヴィンチが、現代ではサッカー界の至宝クリスティアーノ・ロナウド選手が「90分の睡眠を1日5回」という形で実践していることで知られている。

 多相性睡眠とも呼ばれ、動物の多くがこの眠り方。人も産業革命以前は多相性だったと考えられており、奇異な印象ほど不自然なものではないと言える。

 あえてこの眠り方を採り入れることはおすすめしないが、授乳中の方やドライバーなど今まさに細切れの眠りになっている人は、「1日1回3時間の主睡眠を取り、あとは必要に応じて15分程度の睡眠を繰り返す」ことで眠気やつらさを感じず高いパフォーマンスを保てる。主睡眠は夜でなくても、可能な時にとればOKだ。

「睡眠は夜まとめて取るもの、という常識を捨てるだけで、『眠れない』というストレスを大幅に減らすことができます」

 ただし、「短眠」の極端なものとも言えるため、長期間続けるのは危険を伴う。授乳中に使う場合も、親がいつまでも多分割だと赤ちゃんが夜寝るリズムを身につけられない。期間を区切り、緊急避難として使おう。

■マドンナのフレックス睡眠戦略

【メリット】活動する時間帯を自分の価値観で決められる

【デメリット】頻繁に変えると体内時計に深刻な障害が

 65歳にして世界ツアーを成功させるなどエンタメ界の頂点に君臨し続けるマドンナは、毎日午前4時に就寝する極端な夜型を公言している。「夜が一番クリエイティブになれる」という理由が科学的に正しいかはともかく、信念を貫く生き方が彼女の魅力なのは間違いないだろう。

 現代はフレックスタイムやリモートワークの広がりで、かつてないほど自由に働き方を決められるようになった。たとえば「子どもに合わせた生活リズムにして一緒にいられる時間を増やす」「夜型にして副業に注力する」など、眠る時間帯を変えることで大切なものに合わせた生活リズムを作れるのだ。