「今いくよ・くるよ」で一世風靡、今くるよさん死去 76歳、膵がん 女性漫才師のパイオニア 「どやさ」やおなかをたたくギャグで人気

AI要約

女性漫才コンビ「今いくよ・くるよ」として活躍し、78歳で亡くなったくるよさんの訃報が伝えられた。コンビは多くの賞を受賞し、関西演芸界に貢献した。

コンビ仲の良さでも知られ、パートナーが亡くなった際には懸命に看病するなど、絆の強さが窺える。最後の舞台は22年に行われた特別公演だった。

所属事務所によると、くるよさんは後輩思いで知られ、後輩たちにさまざまな気配りを見せていた。

「今いくよ・くるよ」で一世風靡、今くるよさん死去 76歳、膵がん 女性漫才師のパイオニア 「どやさ」やおなかをたたくギャグで人気

 女性漫才コンビ「今いくよ・くるよ」として人気を博し、「どやさ」などのギャグで知られる今くるよ(いま・くるよ、本名・酒井スエ子=さかい・すえこ)さんが27日、膵(すい)がんのため大阪市内の病院で死去。76歳。京都市出身。通夜は30日午後7時から、葬儀・告別式は31日午後1時から、いずれも大阪市北区天神橋4の6の42の公益社 天神橋会館で執り行われる。喪主は非公表。お別れの会は予定していないという。

 くるよさんは1970年に今喜多代さんに弟子入り。その後、高校時代の同級生で同じソフトボール部だった今いくよさんと「今いくよ・くるよ」を結成。細身で濃いめのメークとつけまつげがトレードマークのいくよさんと、ぽっちゃりとした体形で派手な衣装のくるよさんは対照的で、互いのルックスやファッションなどをネタに、体を張った軽妙な掛け合いで人気を集めた。くるよさんのおなかをポンとたたくしぐさや、両手を顔の前で交互に前後し「どやさ」は代名詞的なギャグになった。80年代の漫才ブームにのって一世を風靡(ふうび)し「ツービート」や「B&B」「島田紳助・松本竜介」らと並んで代表的な存在となった。その後も女性漫才師のパイオニアとして、劇場やテレビ番組、CM、映画など多方面で活躍した。

 コンビとして81年に「上方お笑い大賞」金賞、82年に「花王名人大賞」最優秀新人賞、84年に「上方漫才大賞」大賞を受賞するなど数々の賞を受賞。また、関西演芸界の発展と振興に貢献したとして、2023年にはコンビで「第26回上方演芸の殿堂入り」を果たしている。

 コンビ仲の良さでも知られ、09年にくるよさんが心筋梗塞で倒れると、いくよさんは懸命に看病した。しかし、15年にいくよさんが胃がんのため67歳で死去。くるよさんは22年4月になんばグランド花月(大阪市)で開催された吉本興業創業110周年特別公演「伝説の一日」に出演したのが最後の舞台となった。

 所属事務所の吉本興業によると、くるよさんは後輩たちに舞台衣装の靴やスーツをプレゼントしたり、食事をごちそうしたりと、後輩思いの一面もあったという。