アーケードゲーム「フリッキー」が40周年! シンプルだけど面白い、名作追いかけっこアクションゲーム

AI要約

セガが1984年5月に発売したアーケードゲーム「フリッキー」は、2024年5月で40周年を迎える。操作感覚や戦略性が楽しいこのゲームについて振り返る。

フリッキーは、ジャンプ操作やピヨピヨ集め、敵との戦いなど独特な要素を持ち、プレイヤーを魅了する。ピヨピヨの捕獲戦略やステージ進行で楽しさが広がる。

アミでピヨピヨをキャッチするボーナスステージなど、さまざまな要素が組み合わさり、ゲームをより楽しく、奥深くしている。極めてシンプルながらも面白さが凝縮された名作である。

アーケードゲーム「フリッキー」が40周年! シンプルだけど面白い、名作追いかけっこアクションゲーム

 セガが1984年5月に発売したアーケードゲーム「フリッキー」が、2024年5月で稼働40周年を迎えた。

 本作は、左右移動用のレバーとジャンプボタンで主人公フリッキーを操作して、フィールド上に点在するピヨピヨ(ヒヨコ)を集め、すべてのピヨピヨを家に連れて帰るとクリアとなる、左右任意スクロール方式のアクションゲーム。敵のニャンニャン(ネコ)やチョロ(トカゲ)に捕まるとミスとなり、フリッキーのストックがゼロになるとゲームオーバーとなる。

 以下、内容は極めてシンプルながら実に面白い、本作の素晴らしさを改めて振り返ってみよう。

■ 面白さの秘密は、独特の操作感覚と戦略性の存在にあり

 フリッキーは空中で静止することはできないが、鳥(スズメ)がモチーフになっていることもあり、ジャンプボタンを押すとフワリと体が浮き、やがてゆっくりと降下する特徴を持つ。筆者が本作に出会ったのは小学生の頃だったが、その独特のジャンプの軌道と滞空時間に慣れるまでには、少なからず時間を要したと記憶している。だが、一度慣れてしまえば空中でもフリッキーの左右の向き、あるいは軌道を自在に調整できるようになり、すっかり本作の虜になってしまった。

 ピヨピヨは1匹ずつ捕まえるのか、それとも数匹まとめて捕まえてから家に帰すのか、プレイヤーが自由に決められるのも本作の楽しいところ。一度に多くのピヨピヨを連れ帰るほど得点が高くなるが、捕まえたピヨピヨの数が増えて列が長くなるほど、ニャンニャンに追い付かれて捕まりやすくなるデメリットが生じる。このリスクとリターンの絶妙なバランスも、本作ならではの面白いところだ。

 ピヨピヨがニャンニャンに捕まってもミスにならないが、捕まったピヨピヨは列から離れてしまうので、家に連れ帰るためにはもう一度捕まえる必要が生じる。各ステージの開始時点ではピヨピヨの配置は固定されているが、切り離されたピヨピヨはステージ内を右往左往するため、さらに捕まえにくくなってしまう。また、サングラスを掛けたピヨピヨはグレているせいかのか、 切り離されたときの動きがより激しいのも実に微笑ましい演出だ。

 各ステージに置かれている、ハンマーや電話機、植木鉢などの武器を取った状態でボタンを押すと、フリッキーはジャンプと同時に正面に向かって武器を投げる。これを利用して、敵のニャンニャンとチョロをやっつけることが可能で、一撃で複数の敵をまとめて倒すと高得点が得られるほか、ダイヤモンド型の得点アイテムが出現することもある。

 ただし、武器の数には制限があり、一度投げると消滅してしまう。しかも、敵キャラは何体倒してもしばらくすると復活するので、長期戦になればなるほど必然的に不利になる。また本作では、ピヨピヨの連れ出しとは別に、クリアタイムが短いほど高得点のタイムボーナスが獲得できる(※19秒以下だと2万点も入る)ので、敵を積極的に倒すよりも、速攻でクリアしたほうが得点が稼ぎやすいと言える。

 よって、いかに短い時間で、かつピヨピヨをまとめて連れ出してクリアできるパターンを考えながらプレイすることで、本作はますます楽しくなるのだ。

 本作では3面、7面、11面、15面……と、3面以降は4面ごとにボーナスステージが登場する。ボーナスステージは、ニャンニャンがシーソーを使って空中に飛ばしたピヨピヨをアミでキャッチし、キャッチした数に応じたボーナス得点が加算される。すべてのピヨピヨを捕まえると、さらにパーフェクトボーナスとして1万点が獲得できる。

 ここでも、フリッキーは前述した独特の空中アクションに加え、歩行中は急に止まれない(※微妙に慣性が働いている)こともあり、落下してくるピヨピヨを正確にキャッチするのは、簡単そうに見えて意外と難しい。また、シーソーから飛んでくるピヨピヨのパターンはステージごとに異なり、ちょっとした操作ミスがピヨピヨを取り逃す原因につながってしまう絶妙の調整が、本作をより面白くしているように思えてならない。

 繰り返しになるが、本作は独特の操作感覚のおかけで、極端な言い方をすればフリッキーをただ適当に動かしているだけでも楽しい。フリッキーやピヨピヨだけでなく、敵キャラたちのデザインも可愛らしいく、ポップな世界観を演出した各ステージのビジュアルと、ほのぼのとしたBGMとも相まって、たとえミスをしたときでも残酷さをまったく感じさせないのも、本作の素晴らしいところだ。

 本作は懐かしのSG-1000版をはじめ、現在までに何度も家庭用に移植され、2020年にセガトイズが発売した復刻ゲーム機「アストロシティミニ」にも収録されているので、今でも気軽に遊べるのが嬉しい。古い作品ゆえ、今となってはフリッキーの存在は「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」シリーズでしか知らない人も多いだろうが、今遊んでも実に面白い、元祖「フリッキー」もぜひプレイしていただきたい。

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