京本政樹、銀座博品館劇場「シーボルト父子伝」でシーボルト役「亡き渡辺裕之さんの引き合わせ」

AI要約

俳優でシンガー・ソングライターの京本政樹が、シーボルト父子の生涯を描いた舞台「シーボルト父子伝~蒼い目のサムライ~」に渡辺裕之さんの遺志を受け継いで出演することが決まった。

舞台はシーボルトとその息子たちの幕末の活躍を描いたもので、2023年のシーボルト来航200周年と息子たちのウィーン万博150周年に向けて企画された。

渡辺裕之さんの急逝後、辰巳琢郎がシーボルト役を引き継ぎ、次男ハインリッヒの没後115周年記念公演では鳳恵弥が中心となって脚本と演出を務めることになった。

京本政樹、銀座博品館劇場「シーボルト父子伝」でシーボルト役「亡き渡辺裕之さんの引き合わせ」

 俳優でシンガー・ソングライターの京本政樹(65)が、8月8日から11日まで東京・銀座博品館劇場で再演される「シーボルト父子伝~蒼い目のサムライ~」に出演することになった。日本近代医学の父と言われたシーボルトとその息子たちの生涯を描いた舞台公演。初演は2020年(令2)で、シーボルト役は一昨年5月に66歳で急逝した俳優渡辺裕之さんだったが、京本が渡辺さんの遺志を受け継いで演じることになった。

 同舞台は幕末に来日して医学や外交の分野で活躍したドイツ人のフィリップ・フランツ・フォン・シーボルトと長男アレキサンデル、次男ハインリッヒの活躍を描いた物語。シーボルト来航200周年と息子の活躍したウィーン万博150周年にあたる2023年に向けて企画されたもので、キャストは次男ハインリッヒ役の鳳恵弥(おおとり・えみ=43)を中心に、長男アレキサンデルに山崎裕太(43)、そしてシーボルト役には渡辺裕之さん。さらに、爆風スランプのパッパラー河合(63)が主題歌と劇中音楽を担当する形で、木村ひさし(56)の総監督で4年前にスタートした。

 しかし、22年8月の再々演を前にして、同年5月に渡辺さんが急死してしまった。シーボルト役を辰巳琢郎(66)が演じることになり、昨年の来航200周年の記念公演も無事に乗り越えることができた。

 今回は、次男ハインリッヒ・シーボルトの没後115周年記念公演として、脚本も新たに判明した事実に基づき書き直し、木村ひさしが総監修で主演の鳳が脚本、演出を務める形となる。

 渡辺さんと京本との付き合いは、デビュー時から40数年に及んだ。映画やテレビドラマで多数共演して、最後の共演作品は19年の映画「牙狼<GARO>-月虹ノ旅人-」だった。

 公私にわたって、関係の深かった渡辺さんから役を引き継ぐことを、京本は「悩んだ」と言う。「渡辺さんとは役回り、キャラクターが全然違っていましたからね。そもそも(前回の)辰巳さんとも違うのですが…。これが時代劇だったらまだしも、シーボルト役というのはイメージがつかなかったし、当然、断ろうかと思ったことは確かです。しかも、これまで舞台公演への出演は多くいただいてきましたが、その全てが新橋演舞場や新歌舞伎座、明治座などで、博品館という小劇場での公演は全く経験がないので不安も大きかった」と話している。

 それでも、出演を受諾したことに京本は「渡辺さんとは共演作も多く、舞台公演のDVDを観ているうちに、不思議なことに、何か引き合わせのようなものを感じるようになっていたんです。しかも、出演を決心したのが、偶然にも渡辺さんの御命日(5月3日)でした。正直言って自信はないのですが、今は精神的な繋がりを感じています。天国のナベさんに笑われないように頑張ろうと思っています」。