丸山礼が明かす黒島結菜の役作り「1か月くらいずっとツナ缶を食べていたそうです」撮影現場で思わず涙が出た理由

AI要約

丸山礼さんは、演技の世界に進出し、映画『夏目アラタの結婚』に重要な役で出演している。演技を始めて4年目ながら、確かな演技力を発揮している。

作中で真珠と対峙する桃山香役を演じる丸山さんは、共演者との関係づくりにもこだわり、役作りに取り組んでいる。

丸山さんは役柄の理解や感情移入が深く、撮影中には思わぬ感情が高ぶり、涙を流してしまうほどの熱演を見せた。

丸山礼が明かす黒島結菜の役作り「1か月くらいずっとツナ缶を食べていたそうです」撮影現場で思わず涙が出た理由

「こんな女性、いるいる!」とつい釘付けになってしまう一般女性の"あるある”で、驚くべき量と質を誇るタレントの丸山礼さん。プロフェッショナルな目線で捉える日常の“あるある”を拾い続け、近年は演技の世界にも進出。確かな演技力・表現力で新たな才能を発揮している丸山さんの、THE CHANGEとは。【第2回/全4回】

 9月6日より全国公開する、原作が乃木坂太郎氏で、堤幸彦監督による映画『夏目アラタの結婚』に、重要な役どころとして出演している丸山礼さん。実は演技を始めてまだ4年目だ。柳楽優弥さん演じる主人公・夏目アラタの先輩として心のよりどころとなる児童相談員であり、黒島結菜さん演じる連続殺人犯の死刑囚・品川真珠に、翻弄されるという役どころを堂々と演じている。

 そんな丸山さんが「いちばん、すっごく緊張した」と話すのは、真珠と拘置所のアクリル板越しに初対面を果たすシーンだった。

「黒島さんとは現場でまったくおしゃべりしなかったんですよ。同じ年なので私はおしゃべりしたかったんですが、言葉をかわすのは本当にあいさつ程度でした」

ーーずっと拘置所にいる死刑囚、という役柄的に、あえて周りとしゃべらなかったんでしょうか。

「そうだと思います。最初に黒島さんを見た瞬間、びっくりしました。ジャージを着てうつろな目で、それは黒島さんじゃなくて“真珠”だったんです。あと、真珠は幼少期からツナの缶詰を主食にしているんですが、黒島さんも1か月くらいずっとツナ缶を食べていたそうです。撮影でツナの空き缶を使うためにスタッフさんたちが食べていたのを、そこに黒島さんも一緒に食べることを名乗り出たそうで。その話を聞いたとき、すごくストイックな方なんだな、と思いました」

 黒島さん演じる真珠は、拘置所のアクリル板越しに大げさに泣いてみたり歯茎をむき出しに笑ったり、牙を剥いたりーーと、間近で対峙すると誰もが恐怖心を抱いてしまうような存在感。そんな真珠に、丸山さん演じる桃山香、通称・桃ちゃんは、鬼気迫る勢いでなじられるのだ。

ーー真珠は、桃ちゃんが「30歳・独身」であることで、そういったキーワードでコンプレックスを刺激していたように思いました。

「桃ちゃんの30歳独身って、粋も甘いも、裏切り・絶望・愛……いろいろなことを学んだうえでの“30歳独身”というスタンスなのかな、と思いました。20代の“元気でがむしゃら!”では得られないような、自分を見つめ直す時間がたくさんあると思うし、人と自分を比較してしまう時間もたくさんあるだろうし。

 たぶん桃ちゃんは、親から“早く結婚しろ”と言われているような立ち位置なんだろうな、と思いながら演じました。自分もそんなふうになるんだろうなあとか思いながら。そこに“良しあし”はないですが、桃ちゃんと私は、とても身近な立ち位置だったのかな、と思いました」

 丸山さんはこのとき、「桃ちゃんの気持ちがすごくリンクした」という。

「泣きそうになってしまったんです。台本には“泣く”なんて書いていなかったんですけど。ふがふがしだしちゃって。そうしたらカットがかかったあとに、スピーカーから堤さんの声が聞こえてきて。“泣きそうですよね?”と。それで、“涙、出していいですよ”と言われたんです」

 感情が高ぶり、思わず涙を流してしまったというシーンは、観客の胸にも迫るにちがいない。

ヘアメイク:坂手マキ(vicca)/スタイリスト:奥田ひろ子(ルプル)

まるやま・れい

1997年4月1日生まれ、北海道出身。高校3年生のとき、ワタナベエンターテインメントのオーディション「オモ女グランプリ」でモノマネを披露し最優秀賞を受賞。お笑いの道を志す。2015年3月、上京とともにワタナベコメディスクール(22期生)に入学し同年4月にテレビレギュラー番組が決まる。ロバート秋山竜次のモノマネで知名度を得ると、有名人、一般人問わずさまざまなモノマネやあるあるネタを各メディアで発信。2023年にドラマ『ワタシってサバサバしてるから』(NHK総合)で初主演。9月6日公開映画『夏目アラタの結婚』(ワーナー・ブラザース映画)で映画初出演。

有山千春