ファンキー加藤「学生時代いじめを受けていた」自身を救ってくれた“音楽”で今度は自らが誰かの助けに

AI要約

ファンキー加藤は、音楽グループFUNKY MONKEY BABYSのリーダーとして活動し、ソロデビュー後も応援ソングを歌い続けている。

彼は過去の苦しみから音楽に励まされ、自らも他者に助けとなるような歌を作り続けている。

ファンキー加藤は、自身のネガティブな一面と向き合いながら、前向きな言葉を歌い続け、実現させる力を信じている。

ファンキー加藤「学生時代いじめを受けていた」自身を救ってくれた“音楽”で今度は自らが誰かの助けに

 東京・八王子の仲間3人で結成した人気音楽グループ・FUNKY MONKEY BABYS(ファンキーモンキーベイビーズ)のリーダーとして活動した、ファンキー加藤さん。ソロデビュー後も、大型タイアップソングを手がけ、日本武道館でコンサートを開催するなど順風満帆なスタートを切った。今年でソロ活動10周年を迎え、いまも変わらず応援ソングを歌い続ける、ファンキー加藤さんの「THE CHANGE」とは。【第5回/全5回】

 ソロデビュー10周年を迎えるファンキー加藤さん(以下、加藤さん)。THE CHANGEをいくつも乗り越えながら、変わらず直球の応援ソングを歌い続けている。そのわけを聞くと……。

「僕が応援ソングを歌い続けるのは、自分が音楽に励まされたからです。中学1年生のとき、僕はいじめに遭いました。当時、THE BLUE HEARTSや長渕剛さん、尾崎豊さんの歌を聴いて心を救われたんです。特にブルーハーツにはすごく影響を受けましたね。

 そうやって心を保ちながら、プロレスによって体を鍛えることを覚えました。“あんな風に強くなれば、きっといじめられなくなるだろう”と、毎日腹筋100回、腕立て100回やって、肉体改造をしました。精神面を音楽で支えられ、肉体的にはプロレスで鍛えることでつぶれずに済んだんですよね。中学3年のとき、ついにいじめっ子に打ち勝つことができました。

 だから、自分の音楽でも誰かの助けになりたいという気持ちがあります。それにね、言霊って本当にあると思ってるんです。自分はネガティブ思考の人間なんですが、前向きな言葉を実際に書いて、口に出して歌い続けていくと、その言葉に自分自身が励まされる感覚があるんですよ」

「加藤俊介(本名)はネガティブな男だけど、ステージに上ったとたんにファンキー加藤として別人になれる。そもそも『ファンキー加藤』なんて変な名前をつけたのも、自信のなさの裏返しです。せめて活動名くらい“明るくはじける男になりたい”という、願いが込められているんです。

 そんな僕が、書いてるときには半信半疑の歌詞を、ステージで歌い続けていると、だんだんと本当に思えてくるんです。そうやって歌い続けて……例えば、ある曲の中で“夢はかなう”と歌ったとします。それを聴いた1万人の中の一人くらいは、夢をかなえられていると思うんですよ。そうなれば、絵空事だったはずの歌詞が真実になるんです。それってなんかすごいなって思いますね」

 ナイーヴさと熱さを併せ持つ加藤さん。苦しみを抱えながら、もがきながら、それでも一歩踏み出そうとするからこそ、その言葉は多くの人に響くのだろう。最後に、読者にメッセージをお願いしたら、少し照れたように笑いながら、この言葉を贈ってくれた。

「あの……、パクリになっちゃうんですが、『迷わず行けよ、行けば分かるさ』という言葉があるんです。これは、敬愛するアントニオ猪木さんの言葉で、僕の人生のモットー、指針でもあります。

 弟の結婚から、ファンモンを組んだとき、ソロになったこと、そのときどきに迷いながらもずっと進んできた、足を止めずに来ました。0を1にしなければ、良くも悪くも何も変わらないじゃないですか。もし仮に悪くなったと思ったら、良くするための対策を考えますよね。停滞するのが良くないと思うので、猪木さんのこの言葉を信じてこれまでやってきましたし、これからも足を止めずに行きたいですね」

ファンキー加藤

1978年1218 生まれ、東京都王市出身。’04年1 地元王でFUNKY MONKEY BABYSを結成し、リーダーを務める。’06年1 『そのまんま東へ』でメジャーデビュー。’09年より『NHK紅歌合戦』に4年連続出場し国民的グループになるも、’13年6に解散。’14年よりソロアーティストとして活動をスタートし、同年9には本武道館のステージに立った。ステージ上に酸素缶が欠かせないほど、熱量が高く、距離感の近いパフォーマンスでファンを捉えている。’16年には、映画『サブイボマスク』で初主演し、俳優業にも進出。ソロデビュー10周年となる’24年7月には、初のソロベストアルバム『My BEST』をリリース。9月からは全国10カ所を巡る「ファンキー加藤 10th Anniversary LIVE TOUR Your VOICE」を開催する。

キツカワユウコ