TVアニメ『ダーティペア』の最終回って覚えてる? 人によって内容に齟齬があるワケ

AI要約

TVアニメ『ダーティペア』には複数の最終回が存在しているが、それは放送枠の都合によるものである。

視聴者にとって混乱を招くこともあるが、後にOVAとして最終回が補完されている。

関東圏での放送スケジュールや放送局によって、異なる最終回を経験することがあった。

TVアニメ『ダーティペア』の最終回って覚えてる? 人によって内容に齟齬があるワケ

 1985年7月から12月にかけて放送されたTVアニメ『ダーティペア』には、ふたつの最終回が存在しています。なぜ最終回が複数あるのか、それぞれがどんなストーリーだったのかを解説します。

 高千穂遙先生の同題小説を原作としたTVアニメ『ダーティペア』は、あらゆるトラブルに対処する専門機関「WWWA」に所属する「ラブリーエンゼル」こと「ユリ」と「ケイ」の美女ふたり組が、宇宙を股にかけて暴れまくる斬新で挑戦的な作品として高い人気を獲得しました。

 キャラクターデザインは当初『機動戦士ガンダム』でデザイナーを務めた安彦良和さんが担当する予定でしたが、諸事情あって、『うる星やつら』で頭角を現していた土器手司さんに交代し、やはり高い評価を得ています。

 令和となった現代でも、再放送される際にはX(旧:Twitter)で話題となることがしばしばある『ダーティペア』ながら、最終回の話題となると「あれ? こんな話じゃなかった?」「このまえ観た時はこんな話だったよ?」と、観た時期や放送局によって別のお話が出てくる不思議な作品でもありました。

 なぜ複数の最終回が存在しているのでしょうか。その理由は、当初26話予定だった作品が、24話に短縮されたことが影響しています。脚本自体は第26話まで完成していたものの、放送枠は24話ぶんしか確保されていなかったようです。

 また、当時の関東圏での放送スケジュールについて、第23話は1985年12月23日放送なのですが、第24話は12月26日と1週間待たずに放送されていたことが確認できました。第23話までは全国ネットの放送で、第24話のみが地方のローカル枠での放送扱いになっており、当時の関係者が『ダーティペア』放送のために奔走していた跡が垣間見えます。関係者にとっても思い入れのある作品だったのでしょう。

 なお、第25話及び第26話は後にOVA『ラブリーエンゼルより愛をこめて』として発売されており、CSなどでは全26話として放送されることがあります。これが、ふたつの最終回が存在している理由なのです。現在でもサンライズの公式サイトでは全24話、バンダイチャンネルでは全26話と掲載されているため、事情を知らない方は混乱することでしょう。