映画『あんのこと』注目の若手・河合優実が見る者の心をゆさぶる話題作

AI要約

河合優実、佐藤二朗、稲垣吾郎らが出演する話題作『あんのこと』は、実際の事件を基に社会の歪みを描いた作品。

河合優実が21歳の杏役で主演し、入江悠監督がコロナ禍や人間関係をテーマに静かな熱量を描いている。

物語では、不登校から転落した杏が刑事や記者の介入により変化を遂げる過程が描かれ、観客の感情を揺さぶる作品。

映画『あんのこと』注目の若手・河合優実が見る者の心をゆさぶる話題作

ドラマ「不適切にもほどがある!」での好演も記憶に新しい河合優実、そして佐藤二郎、稲垣吾郎という演技派が揃いぶみ。実際に起きた事件をもとに、社会の歪みを浮き彫りにする話題作『あんのこと』の見どころとは?

 2019年の女優デビュー以来、映画を中心に出演を重ね、新人賞など多数の賞に輝いてきた河合優実。『あんのこと』は、TVドラマ「不適切にもほどがある!」の大ヒットで全国区の顔となった彼女の最新主演映画だ。コロナ禍で大切な人を亡くし、その思いを静かな熱量の中に刻みつけたのは、『SRサイタマノラッパー』シリーズで人気の監督、入江悠。

 河合が演じる21歳の杏は、母と足の不自由な祖母との3人暮らし。小学4年生から不登校になり、母親から虐待され、麻薬の常習者となってしまう。そんな彼女にひとりの刑事と更生プログラムを取材する記者が手を差し伸べるが……。絶望の世界に差し込んだ一筋の光によって変化してゆく杏の表情を繊細に演じ、見る者の心をゆさぶる河合。熱血漢の刑事の顔に得体のしれなさをにじませる佐藤二朗。記者の思惑を抱えながらも、ある種ニュートラルな視線を物語に呼び込む稲垣吾郎。彼が表現する戸惑いと悔恨が観賞後の胸にじわじわと広がってゆく。

『あんのこと』

6月7日(金)公開

BY REIKO KUBO