伊藤俊介、『9ボーダー』の芝居を経て「どうして芸人になってしまったんだろう?」

AI要約

『9ボーダー』第8話の放送を前に、伊藤俊介(オズワルド)のインタビューコメントが公開。

本作は、3姉妹のヒューマンラブストーリーを描き、伊藤はウメケンを演じている。

ウメケン役に挑戦する中で緊張感と新たな感情が芽生えたと語る。

齋藤潤が伊藤を見て笑いが止まらなかったエピソードや、監督からのアドリブ推奨についても語っている。

役者として演じるときと漫才をするときの違いについても触れている。

視聴者に向けて、1時間のドラマを楽しむ瞬間を提供するとともに、リラックスして視聴してほしいとメッセージを送っている。

伊藤俊介、『9ボーダー』の芝居を経て「どうして芸人になってしまったんだろう?」

 毎週金曜22時よりTBS系で放送されているドラマ『9ボーダー』第8話の放送を前に、伊藤俊介(オズワルド)のインタビューコメントが公開された。

 本作は、19歳、29歳、39歳と、各年代のラストイヤー=「9ボーダー」真っ只中の3姉妹を主役としたヒューマンラブストーリー。父の突然の失踪を機に一つ屋根の下に集結した3姉妹が、「LOVE」「LIFE」「LIMIT」の“3L”をテーマに、モヤモヤや焦りを抱え幸せになりたいともがきながら、人生を前向きに進んでいく姿を描く。

 伊藤が演じるのは、大庭家が営むおおば湯でアルバイトをする“ウメケン”こと梅津剣。伊藤はウメケンを演じてどう思っているのだろうか。

「みなさんと演じることがとても楽しいです。僕をメインで観る人はいないと思うのですが、『弁当の中にこのおかずが入っていてラッキー!』と思われるぐらいの存在にはなりたいです」

 ウメケンのようなアルバイト経験については以下のように語る。

「30歳まではアルバイトをして暮らしていました。おもにキャバクラのアルバイトですけど。合間にお寿司屋さんで働いたこともありますが10年ぐらいアルバイトをしていました。ウメケンはなんで銭湯でアルバイトをしているんだろう?と思うことはあります。融通がきかないじゃないですか。シフト制で仕事をしているわけでもありませんし。僕は芸人の仕事があったので、融通のきくアルバイトをしていましたから、ついそう思ってしまいます」

 伊藤も最初は撮影現場で緊張していたという。

「川口さんをはじめ、とても親しみのある方ばかりという印象です。ドラマの現場はピリピリしていると聞いたこともあるので最初は緊張していました。でも、みなさんとんでもなく和気あいあいとしていたので気が楽になりました」

 しかし、撮影を重ねるうちに新たな感情も芽生えたよう。

「恥ずかしさ……ですね。バラエティーは本業なので、何か爪痕を残せるようにしようと考えています。一方、ドラマの撮影では同じシーンを別の角度から何度も撮るので、同じセリフを何度も言うことに恥ずかしさを感じます。基本的に失うものは何もないと思ってドラマの現場に臨んでいるので、最初のシーン以外は緊張することはほとんどありません。できないのが当たり前と思って演じていますから。でも、周りの方に迷惑だけはかけないようにしようと常に心がけています」

 演じるにあたってはどんなことを意識しているのだろうか。

「覚悟を決めたシーンはありました。それが、七苗さんに手伝ってもらっての風呂場を洗うシーン。監督からは『早送りで見せるので、セリフはアドリブの掛け合いでお願いします』と言われて。七苗さんが風呂桶を洗って、僕が水で流していきました。川口さんってむちゃくちゃ美人じゃないですか。だから最初、目を合わせられなかったんです。でも、僕が『もっと早く洗ってくださいよ!』と言ったら七苗さんが『もう疲れた。背中かいて』と。勝手な想像ですけど、『お前こっち側にこられるのか?』と言われたように感じ『これはやらないと終わりだ!』と思って、ボリボリと背中をかいてあげたんです。そこからウメケンを演じる覚悟が決まったというか……役者として、ひと皮むかせていただいたように感じました」

 齋藤潤が伊藤を見て笑いが止まらなかったというエピソードについては以下のように語る。

「あはははは、そうですね。僕は監督から言われるがまま演じただけですが、齋藤くんがひたすら笑ってくれるので、芸人の性(さが)が出てしまいました。笑ってくれると完全にスイッチが入ってしまい、どんどん誇張して撮影が長引いても笑わせたいという思いが強くなってしまったんです(笑)」

 監督からはセリフを変えてのアドリブも推奨されているという。

「監督から『伊藤さん、セリフも変えちゃって大丈夫です。アドリブもバンバン入れてください』と言われたので、これは『入れろ!』ってことかと思って。だから『ずっとここで働かせる気ですか?  “釜爺”(スタジオジブリ作品『千と千尋の神隠し』の登場人物)じゃないんだから』というアドリブを入れようとしたことがありました。同じシーンにいた芽育ちゃんは若いので、撮影前に『“釜爺”って知ってる?』と聞いたら『知っています。ジブリのですよね?』とおっしゃったので『これはイケる!』と思って撮影に臨みました。実際に『“釜爺”じゃないんだから!』とアドリブを入れたら、監督からカットがかかって『“釜爺”はなしでお願いします』と言われてしまったんです……。もうめっちゃ恥ずかしくなって、二度とアドリブは入れない! と決意しました。以来、言い方は変えても決まったセリフがあるところでアドリブを入れることはありません。かなりトラウマになってしまいました(笑)(セリフ覚えについては)もちろん、事前に台本は読んでいますが覚えてはいません。普段、芸人をしているときの延長線上で芝居もやらせていただいています。完璧にセリフを覚えるのは、段取りが始まってから。僕は掛け合いの中でのほうがセリフを覚えやすいので、いつもそうしています」

 役者として演じるときとオズワルドで漫才をするときは、やはり違うのか。

「そうですね。漫才をするときは演じているわけではなく、素の自分でいます。これまで芸人として芝居をやってこなかったので、何かを演じるというのはとても新鮮に感じます。役者として演じることで、何か芸の世界でも生かせるものが見つかればな、と。でもお芝居の世界って、とても華やかな世界じゃないですか。共演者の方も美男美女ばかりですし。お芝居をすればするほど、どうして芸人になってしまったんだろう? と、ふと思うときもありますね(笑)」

 最後に、視聴者に向けてメッセージを贈った。

「ホントに箸休めというか……1時間のドラマの中、フルパワーで肩の力を抜いてもいい瞬間をお届けできればと思っています。七苗さんとコウタロウさんの関係性については、僕も気になりますし、みなさんも気になると思います。でも僕が出ているシーンでは、ぜひリラックスしてご覧ください!」