LINE誕生のきっかけは「東日本大震災」だった――運営が語る“開発の背景”とは 緊急時の活用法も紹介

AI要約

LINEは、東日本大震災の経験を背景に誕生し、緊急時に大切な人とつながるためのコミュニケーションサービスとして開発された。

LINEは社会的な取り組みにも積極的に取り組んでおり、新型コロナ対策や災害時の安否確認など様々な活用方法がある。

LINEを活用したさまざまな機能やオープンチャットなどを通じて、緊急時におすすめのLINE活用法も紹介されている。

LINE誕生のきっかけは「東日本大震災」だった――運営が語る“開発の背景”とは 緊急時の活用法も紹介

 いまや日本人の9割以上が利用しているといわれるLINE。その誕生の背景には「東日本大震災」の経験があるといいます。開発当初の思いから、緊急時に役立つさまざまな機能の使い方まで、運営元のLINEヤフーに話を聞きました。

―― LINE誕生の背景を教えてください

LINEヤフー: 2011年3月11日に発生した東日本大震災当時、家族や友人の安否確認ができずに不安な日々を過ごした経験などから、「緊急時に電話回線がダウンしてもインターネット回線を通じて連絡を取ることができて、大事な人とすぐにつながることができるコミュニケーションサービスを作ろう」という思いを胸に急ピッチで準備を進め、震災の余波が続く中、2カ月弱で開発を行い、2011年6月23日に「LINE」をリリースしました。

 LINEは今でも変わらず、“家族や親友、恋人や仲間など、身近にいる大切な人とコミュニケーションをするためのサービス”であり続けています。

――東日本大震災をきっかけに誕生したのですね。他にもLINEを使った社会的な取り組みはありますか?

LINEヤフー: コロナ禍においては厚生労働省に協力し「新型コロナ対策のための全国調査」をLINEで行い、感染拡大防止のための対策に活用いただいたほか、LINE公式アカウントで子どもたちの自宅学習サポートなどを行ってきました。

 また、大規模な災害発生時には自分の安否を入力し友人に伝えることができる「LINE安否確認」機能の提供や、LINEスタンプなどを通じた寄付支援なども行っています。加えて、行政機関や支援団体において、相談窓口としてLINEを活用いただいています。

 LINEを活用した相談窓口は、いじめ相談、自殺対策相談、子育て相談など、さまざまな支援で活用されています。

―― 緊急時におすすめのLINE活用法を教えてください

LINEヤフー: 例えば、以下などがあります。

・「LINE安否確認」機能

 大規模な災害が発生した時にLINEのホームなどに出現する「LINE安否確認」を使えば、少ない操作で自分の安否をLINEの「友だち」に共有することができます。また、「友だち」の安否も一覧で確認することができます。

・災害情報を受け取れる「スマート通知」

 自分の住む地域をLINEに登録すると、その地域の災害情報をLINEのトークで受け取ることができます。「Yahoo!防災速報」と連携し、「避難情報」「地震情報」「津波予報」「気象警報」など9つの防災速報に対応。

 速報の詳細はメッセージから確認することができます。位置情報をONにしておけば、その場所の災害通知が受け取れるだけでなく、国内最大3地点まで登録できるので、勤務先や家族が住む地域の情報も受け取れます。

・「LINEオープンチャット」

 LINEで「友だち」になっていなくても、共通点がある人どうしで情報交換ができるサービスです。LINEアカウントとは異なるプロフィール(ニックネーム・アイコン)で参加できるので、プライバシーが守られます。

 近隣地域の方が集まるオープンチャットに参加することで、災害時に他のメディアでは得ることが難しい生活圏内の被害状況・支援情報などをリアルタイムに情報交換できます。

―― LINEを通した新たな社会活動の構想などありますでしょうか

LINEヤフー: 東日本大震災をきっかけに“大切な人とつながるためのツール”として生まれたLINEは、現在多くのみなさまにコミュニケーション手段としてご利用いただいています。そのLINEを日常や緊急時においてもご活用いただけるよう、引き続きより良い機能の開発・提供や、LINEを活用した取組みを進めていきます。

※取材協力・画像提供:LINEヤフー